株式会社SmartHRが運営する長期プロジェクト「働くの実験室(仮)」は、第2回となる「WORK DESIGN AWARD」授賞式を11月10日に都内で開催。木梨憲武と伊藤淳史がスペシャルプレゼンターを務め、パーソン部門を受賞した映画監督の是枝裕和がステージに登壇した。
「WORK DESIGN AWARD」は、日本の「働きやすさ」を前に進めることを目的に、働き方をアップデートした取り組みを社会に広く伝えていくためのアワード。是枝監督は、映画監督有志と日本映画界の労働環境改善を目指し「日本版CNC設立を求める会」を立ち上げている。
賞を励みに活動につなげていきたい
受賞した是枝監督は「まだ本当にスタート地点に立ったばかりで、発信して変えていこうという段階。賞を励みに活動につなげていきたいと思います」と感謝を述べ、「問題があるのはみんな理解しつつ、変えずにここまで来てしまったなという反省があります。若い世代が少しでも良い環境で働けるように、改革を少しずつでも進めていかないと世界から取り残されてしまう。だんだん業界を変えようと声をあげる仲間が増えてきているので、そういう人たちと連携して情報を共有しながら先に進んでいきたいと思います」と思いを口にした。
「人手不足」で危機感
そんな是枝監督が業界への危機感を覚えたきっかけは、「人手不足」だという。「もともといいものを作ろうとしたときに粘ることが善しとされている業界。僕の現場でもスタッフに負荷をかけて眠れない状況にしたことが多々あったと思います。そういうところを変えていかないと若い人たちがこの職業に就かなくなってしまう。技術や哲学が継承されていかなくなるという危機感が大きかったです」と振り返った。
また、活動を始めたことで手応えを感じているかを聞かれると「監督ってバラバラに活動していて集まることがない上に、孤独な時間が長い職業。同業者と会って話すことがなかったので、みんなで集まった時は仲間ができたなと感じました」と笑顔で答え、今後の活動へのやる気をみなぎらせた。