『LANDER』を作って、新しい希望を持ったら、これからやりたいことが増えた
――2022年はライブの活動が少なめで、LiSAとしてはわりと珍しい過ごし方をした1年だったのかな、と思うんですけども、2022年に過ごしてきた時間を総括してみてもらえますか。
LiSA:4月以降はライブがなくて、楽曲制作と向き合ってきた中で、この先みんなに会う約束がない状況でわたしが届けたいアルバムってこういうものなんだなって、改めて思いました。4月のライブでは、「今できるライブはやり切った」と思っていたから、その先にみんなとの約束をしていなくても頑張れたんですけど、会えない時間が重なっていって、世界も少しずつ変わってくる中で、自分の気持ちにも変化があって。自分自身が思っていたこと、やりたかったことに改めて向き合った1年でした。
――自分と向き合うことで見えてきたやりたいこと、について聞きたいです。何年か前から、「自分自身がやりたいことはあまりない」という話をしてきた中で、アーティスト・LiSAとして新たに見えたものは何になるんでしょうか。
LiSA:こういう世界になる前は、ドームでライブをやりたかったけど、コロナ禍の状況もあってできなかったんですよね。「やれることはもうないな」って思ったのは、実はそれも大きいです。今までライブの経験を積み上げてきた、さいたまスーパーアリーナとか、大きなステージの先を見ていたけど、もしドームでライブをする目標が叶えられたとしても、今すぐやることがベストじゃないな、と思って。「また最初から作り直しだな」って思ったけど、自分と向き合っていった結果、「やっぱりドームでライブがやりたいな」って思いました(笑)。自分の夢が崩れたような気がしていたけど、もう一度立て直して、少し先の未来でその夢を叶えていく計画を、自分の中で立て始めています。
――結果、2022年の活動を経て、ライブへの渇望感が高まってる感じがありますね。ステージを楽しみにしている人もたくさんいると思うけど、今回のアルバムの楽曲たちで彼らを楽しませる自信は持っていますか。
LiSA:はい。いいアルバムができたから、いいライブができると思っています。今までの楽曲でこの世界を遊び尽くすのは大変かもって思っていたけど、この『LANDER』を作って、新しい希望を持ったら、これからやりたいことが増えた感じがします。
取材・文=清水大輔 写真=中野敬久
スタイリング=久芳俊夫 ヘアメイク=氏家恵子
●LiSA(りさ)
2021年4月に、ソロデビュー10周年を迎えた。2018年5月にリリースした自身初のベストアルバム『LiSA BEST -Day-』『LiSA BEST -Way-』は、オリコンウィークリー1位・2位を独占するという快挙を達成。2020年には、5枚目のアルバム『LEO-NiNE』とシングル『炎』を同時リリースし、「W1位」を獲得。圧倒的な熱量を持つパフォーマンスと歌唱力、ポジティブなメッセージを軸としたライブで、アニソンシーンにとどまらず活躍するアーティストとしてその存在感を示している。
ソニー・ミュージックレーベルズ
発売日: 2022/11/16