内藤剛志、“刑事役を連発”する裏にある“実直さと柔軟性”…「演じている役柄はすべて違う」刑事役への矜持
内藤剛志、硬派な印象&“笑い”にも対応できる柔軟性
刑事役があまりにも堂に入っているからだろうか。2021年、テレビ東京系で長らく単発放送されている主演ドラマシリーズ「警視庁強行犯係 樋口顕」が初の連ドラ化するにあたってのリモート会見にて内藤は「警官に黙礼される」とも語っていた。
本職も認めるほどの警官らしさは、いったい、どこからくるのだろうか?
その理由を考えた時に、一番に浮かぶ要素と言えば、やはり、そのビジュアルだろう。内藤の身長は183cm。大柄で比較的がっしりとした体躯であるため、どんな犯人も取り逃さなそうな存在感がある。それに、トレードマークの短く刈り込んだヘアスタイルも、実直で硬派な印象を与える。
かといって、硬派一辺倒というわけでもない。内藤はかつて、テレビ朝日の恒例特番「芸能人格付けチェック」を生んだことでも知られるバラエティ番組「人気者でいこう!」(テレビ朝日系)にダウンタウンの浜田雅功とともにレギュラー出演していたこともある、いわゆる“バラエティノリ”を解する洒落の通じる俳優だ。
そのため、「捜査一課長」における「なに!?アンパンまみれのご遺体!?」や「餃子の皮を握ったご遺体!?」などといった風変わりなご遺体が発見された際の演技もお手の物。刑事ドラマらしいシリアスな世界観の中に、シュールな笑いを一つまみ加える「捜査一課長」特有の独特な世界観にも難なく対応できる柔軟性を兼ね備えているのだ。
内藤剛志、刑事役ばかりの葛藤は「まったくない」
こうした刑事役が多いことについて、内藤自身はどう思ってるのか。
以前、WEBザテレビジョンが実施したインタビューでは、「全然気にしてません。たしかに刑事ドラマばかり出演していますが、演じている役柄はすべて違う人」と話しており、「細かいところだと、大岩を演じている時は絶対にポケットに手を入れないとか、役柄ごとに姿勢を変えたりしてる」などと、細かい演じ分けを明かした。そのうえで、「刑事役ばかりでの葛藤は、まったくない」「今後も『刑事をやってほしい』とおっしゃっていただいたら、僕にできることを一生懸命やらせてもらうだけ」と言い切っていた。
そうした実直でひたむきな姿勢ゆえに様々な刑事ドラマから求められ、今では刑事役の大家的ポジションを築くまでに至ったのではないだろうか。内藤にはこれから70代に突入しても、現役バリバリの“デカ”として、様々な難事件の解決に心血を注いでもらいたいものだ。
文=こじへい