コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、異世界から来たドラゴンと少年のやりとりを面白おかしく描いた漫画『養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話』をピックアップ。作者の牧瀬初雲さんが11月1日にこの作品をTwitterに投稿したところ、5.1万以上(11月25日現在)の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、牧瀬初雲さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
養ってほしいドラゴンのお願いを冷静にかわす少年、二人のやりとりが面白い
ゲームの中のドラゴンが急に人間化することが許せない少年はある日、近所の公園で本物のドラゴンと出会う。「養“な”ってください」と書かれた段ボールを掲げ、“イルセラ”と名乗るドラゴンは、混乱する少年に「知らない世界で修行するために来た」と説明する。少年に連れて帰ってほしいと懇願するイルセラだったが、得体の知れない生き物と暮らす勇気がない少年は昼食を買いに走り、イルセラを置き去りにしてしまう。
しかし買い物中もドラゴンのことが気になり、帰り道に公園に立ち寄るもすでにイルセラの姿はなかった。心配しながら自宅マンションに着いた少年は、見たことのないスライムの化け物と遭遇する。そこにイルセラが現れ、間一髪のところで少年を守るも、力を使い果たしその場に倒れてしまう。その様子を近所の子供達に見られ焦った少年は、イルセラを自宅マンションに連れて帰ることに。しかし体が大きすぎて部屋に入ることができないイルセラは、光を放ちながら“ある姿”に変身して…。
ドラゴンに対して気高い理想像を持つ少年と、養ってほしいドラゴンの出会いを面白おかしく描いた本作。“人間化するドラゴンが許せない”という少年の考え方に共感する声も多く、Twitter上では「分かりみが深すぎる」「最高」「めっちゃ面白い」「共感しかない」「ファンタジーと現実の掛け合いが絶妙」「この主人公とは何時間も語り合えそうな気がする」など、多くのコメントが寄せられ注目を集めている。
「きっかけはゲームに怒っている人のツイート」作者・牧瀬初雲さんが語る創作の裏側
――『養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
きっかけは、昔ツイッターで「ゲーム中のドラゴンが人間になったシーン」のスクショを上げて怒っている人のツイートを見かけてそれが印象に残っていたので、そこから話を広げました。
――本作に登場する、理想のドラゴン像を持つ主人公の少年と別世界からきたドラゴンのイルセラ、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
主人公は自分の分身…というわけではなく極端な思想を持っていたほうが面白いので、ああいった理想を持つキャラクターになりました。イルセラはデザインに関してはリアルすぎずマスコット感のある見た目にしたかったのでポケモンを参考にしました。内面は特に決めずに描きましたが、いつの間にか丁寧な口調でどこか見下した感じのポンコツなキャラが出来上がりました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
キャラクター同士の掛け合いを描くのが好きなので、2人のセリフの掛け合いなどを楽しんでいただければ幸いです。
――本作の中で、牧瀬初雲さんが特に気に入っているシーンがあれば教えてください。
最後にイルセラが小さくなったシーンが好きですね。自分なりに可愛く描けたと思います。
――牧瀬初雲さんは本作以外にも、連載中の「スティアの魔女」では魔法使いが、「転校生メデューサと二口女」では妖怪が登場する等、ファンタジー作品を多く描かれていますが、物語を創作する際のこだわりや意識している点はありますか?
虚構を描くにあたって、現実に存在する伝承や実際の法則に結びつけることで、少しでも説得力が出るように意識しています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
現在、コミックアパンダおよびコミックウォーカー、ニコニコ漫画にて「スティアの魔女」を連載中です。のんびりした中に影が潜むファンタジー作品です。よろしくお願いします!