ロバート・秋山竜次扮(ふん)する最先端のクリエイターに迫る「クリエイターズ・ファイル」。今回は、新進気鋭の格闘家・玄白(47歳)が登場。彼が挑むのは、従来の総合格闘技の枠に縛られず、一人の格闘家がほぼ全ての企画運営を行う“真の総合格闘技”だ。“総合”という名に妥協を許さない、そのファイティングスタイルに迫る。
総合でしょ?だったら全部やるべきなんじゃないの?
――総合格闘技「GET・OUT」は格闘技ファンの間では今、最も熱い種目だと注目されています。現在、国内でも数多くの格闘技種目がありますが、「GET・OUT」はどのようなルールで戦うのでしょうか?
「GET・OUT」に関してはキック、パンチ、寝技は使用しない、いわゆる「払拳」をモデルとしていて、相手を払ってリングから追い出すと勝ち、というルールです。「GET OUT!(出ていけ!)しっしっし、あっちいけ、しっしっし。出ていけ!」と言いながら相手をとことん追い払う姿に観客は熱狂してくれます。
――総合格闘家としてのポリシーは?
俺こそが真の総合格闘家だと思っています。悪いけど、そんじょそこらの総合格闘技やってるやつらと一緒にしないでほしいね。総合でしょ?だったら全部やるべきなんじゃないの?空手やキックボクシング、柔道など各競技を総合して、という意味なの?俺ん中ではそんなの総合じゃないね。真の総合ってのは、試合から運営まで全てをやるということ。告知、チケットもぎり、リングアナウンス、ラウンドガール、実況、格闘技好きの芸能人客、リングサイドで観戦している妻、スポンサーの社長、ゴング、これ全てを自分でやってこそ初めて総合格闘家って名乗れる資格があるんじゃないの?俺、間違ってる?本当は対戦相手も自分でやりたいんだけどね。運営に、「は?」て言われちゃったよ(笑)。
――そこまで「総合」にこだわる理由は何でしょう。
総合格闘家って名乗ってるから。あ、でも俺、総合が好きなのかも。風邪薬は総合感冒薬しか飲まないし、病院も耳鼻科や泌尿器科みたいな専門医じゃなく、総合病院にしか行かないし、総合窓口も訪ねたくなるし、NHKも総合が好きだし、紅白だって総合司会に惹かれちゃうね。要は俺は、全てにおいて自分がやることが好きなんですよ。もちろん自分の解説をしながら戦うのは難しいですよ。けど、総合ですから。
――全てを一人で行うと試合時間は長くなりませんか?
1試合4時間くらいですかね。全役をこなすので、着替えや準備で合間の時間ができちゃうんですよ。デメリットで言うと、その準備の間に対戦相手の体力が回復して、コテンパンにやられちゃうことは少なくないね。
――ラウンドガールの衣装でリングに上がることに抵抗はないですか?
最近は、戦うよりもハイレグ水着を着てリングに上がる瞬間の方がいいかも~!って感じることが多いんですよ。リング上で見られると、なんだかゾワゾワする感じがたまらなくって、「ひゃぁ~」ってなるんです。そのために、総合格闘技をやっていると言っても嘘じゃないかもしれないね。いやほんとに。
――「玄白」はリングネームですか。
もちろん。自分の本名は、真壁潤ですから。強い戦国武将の名前をつけようとしたんですけど、間違ってすごく解体新書な方の名前をつけてしまいました。ちょっと早いけど本日はありがとうございました。この取材の費用のお話って今できますか?
――そんなことまでされるんですか?
総合なので。