中田圭祐コメント
――まずは、原作を読まれた時の印象と、実写化する上で楽しみな部分をお聞かせください。
ヒューマンドラマとちょっとSFの融合。読んでいて次の展開が気になりすぎてあっという間に読み終えてしまいました。笑いあり、涙あり。初めて読んだジャンルではあったものの、「僕ミク」の世界にどんどん魅了されていきました。
やはり2人が絡み合うシーンは実写する上で自分ができるのか、どうなるのか正直不安でした。あと律がめっちゃくちゃかっこいいので自分で大丈夫かなと本音のところは思っていましたね(笑)。
――演じる「日下部律」の印象はいかがですか?
人当たりがよく、モテる。誰と会っても自分のペースがあるような人。自由人。その一方で、本当は人にそこまで興味がない。自分の入ってきて欲しくないところには他人を入れたくないような人。依存や執着を嫌う。どこか、自分の根の部分を人にさらけ出すことを恐れているような印象でした。その感覚は自分自身とも近いものを感じました。共通点でもあるかなと思います。
演じる上で特に表現したかったことは、余裕があって真澄を翻弄(ほんろう)する場面、自分になじみのない部分というか、いわゆる"口説く"行為など、セクシーさって言うんですかね?そういった律の色気を見せるのが演じる上で難しかったところでもあり、意識した部分でもあります。
――共演された瀬戸利樹さんの印象と、仁科真澄の魅力を教えてください。
利樹とは数年ほど前に一度映画で共演していたので、久しぶりの再会でした。優しくて、かわいらしいというか柔らかい空気感持ってる人だなと思います。がっつり一緒にやるのは今回が初めてで、本読みの時はドキドキしました(笑)。
いざ現場に入って撮影が始まると、とても頼りになる男で信頼できるパートナーでしたね。現場ではたくさん話しました。ずっと一緒にいました。だんだん喋らなくても何を考えてるか、お互い分かったりしてきて不思議な感覚でしたね(笑)。
でもこの役を演じる上で利樹をたくさん知りたいという気持ちもあったのでとても良かったです。本当に感謝しかないです。真澄が利樹で本当に良かったと思っています。
真澄の魅力は、むちゃくちゃな律をどこか受け入れてくれるところ。律にとって唯一の理解者だと思うのでその懐の深さと優しさがどこか利樹ともリンクしてる気がして、きっとそれが2人の魅力なんだなと思いました。
――撮影時の出来事で、驚いたことやうれしかったことなど、印象的だったことはありますか?
川での撮影が恐ろしく寒かったですね。2人でガクブルでした(笑)。今では良い思い出です!あとは現場で利樹の誕生日のお祝いをみんなでできたのがうれしかったです!役者やスタッフさんとたくさん話す時間があったので毎日現場に行くのが楽しかったです。
――地球滅亡までの10日間、真澄とともに旅をして美しい景色に心動かされる律ですが、地球が滅亡するとして、最後に見たい景色はありますか?
この作品がきっかけで考えてみました。北極とか深海みたいな秘境と言われている普通の旅行では絶対行かないような景色を見たいですね。地球の大自然に圧倒されてみたい。話は変わりますが、最後のご飯は白ごはんと納豆と豆腐とわかめのおみそ汁がいいです。
――視聴者へメッセージをお願いします。
今の時代ならではの作品だと思います。いろいろな考え方があってどれが正解なのかは自分にも分かりませんが、僕はこの作品を通して人が人を愛することに理由や常識なんかいらない。どんな形であれ人を愛するということをしっかりと感じていたいなと思いました。
ほぼ浜松ロケで監督、スタッフ、役者、一丸となってこの作品を作り上げました。1人でも多くの人に楽しんでいただけたら幸いです。浜松でお世話になった皆さまも本当にありがとうございました!