「俺はあんたを許さない」と満の心の声が響く
運転手が浩一を殺したと怒りが沸き上がる満は「だから、ちゃんとここに…」と声を荒げると、浩一が満の肩に手を置いて制し、静かな微笑みをたたえて首を横に振る。浩一に諭されて息を落とした満は静かに「…生きてます」という。
それを聞いて運転手は「そっかぁ!良かったぁ!」と大きな声で安堵する。運転手に怪我などを尋ねられて、満は痛みはないみたいだと答える。意味を聞かれた浩一は視線を落としたまま「とにかく生きてます、奇跡的に」と言う。
さらに安心した運転手は笑顔でここで待っていて欲しいと言う。満が理由を聞くと運転手は「母親の容態があまり良くなくてね。実はあの日もそれでついスピードを」と続け、沈痛な面持ちになった。
その言葉にショックを受ける満。彼の心中を思うと辛くて切ない。わかりました、早く行ってあげてくださいという言葉とは裏腹な「懲らしめてやる、徹底的に。俺はあんたを許さない」という満の心の声が響く。
怒りと悲しみと落胆といろいろな感情がが入り混じった満の目を見るだけでこちらも胸が苦しくなって涙がこみ上がってきた。Twitterでも「みっちゃんの表情が(号泣の絵文字)」「切ない…もうやめて(号泣の絵文字)」「みっちゃんの気持ちを思うとしんどい」と切なさを訴えるコメントが多数寄せられた。
構成・文/牧島史佳