落合陽一「感動する仕事を生み出すアトリエが最高の空間」<MY BEST PLACE>
緩い仕事をしているときはリフレッシュの時間
仕事ずくめの日々、リフレッシュの時間はあるのだろうか。
「実は僕、あまり疲れを感じないんです。昔は気分転換にサウナに行こうと思うこともあったんですけど、最寄りのサウナがつぶれちゃって(笑)。強いて言えば、緩い仕事をしているときは最高に楽しいから、リフレッシュの時間かな。あとは、大学にいるとき。アトリエより暇だから、研究がはかどります」
多岐にわたる仕事を効率的にこなすコツは?
「作品作りなどは、家事をしている感覚ですね。僕、パソコンのケーブルを束ねたりとか、家の片付けや掃除をするのが好きなんですけど、家事って掃除機をかけながらお湯を沸かしたりするじゃないですか。あんな感じで動画を描きながら裏でAIに別の作業をさせています。研究も同じで、自分が手を動かさなくてもできることはコンピューターに任せているので、そういった感覚を持つといいのかなと。あとは、やっぱり集中力が必要な仕事は、集中できる時間帯にやること。一つのことに集中できる時間って3時間くらいだと思うので、僕はその時間だけ作業に没頭するようにしています。そこの生産性は高いけど、他の時間はながら作業。メリハリをつけるのも大事ですよね。でも、2021年くらいから機械学習系が進展して、どこにいても作業できるようになってしまって。すごく便利だけど、この間、一日に20時間コンピューターを触っているというデータが出てきたんですよ。4時間は寝てるはずなのに何で!?って。そんな毎日ですけど、それでも楽しいです」
年末年始の予定は?という質問にも「仕事じゃないかな」と一言。
「365日作業してるから、さすがに嫌になって1日くらいは休みたいなと思うこともあるんですけどね。でも、2022年は睡眠もちゃんと取ったし、健康的な一年だったなと。2023年も持続可能な生活をしつつ、感動できるものを作りたいですね。毎日何かしら感動することを見つけないと、あっという間に時間がたっちゃいますから」
【MY BEST PLACE】
好きな葉巻と共に作業できるアトリエ
「仕事場なので、アトリエにいるときはものすごく忙しいですけど、好きな葉巻を吸いながら作業できるのが最高ですね。葉巻を吸っているとアイデアが浮かんでくることもあるし、リフレッシュというよりは仕事をする上で欠かせないアイテムという感じかな。最近アトリエに猫が2 匹増えたんですよ。全部で4 匹になった結果、人間と猫の主従関係が逆転しちゃって、全く言うことを聞いてくれなくなりました(笑)。WEB会議中、勝手に人のことをミュートしたりしますから」
取材・文=吉田光枝
おちあい・よういち=1987年9月16日生まれ、東京都出身。メディアアーティストとして個展を数多く開催。筑波大学准教授であり、ピクシーダストテクノロジーズ等の企業や一般社団法人の代表を務めるほか、政府有識者会議の委員や大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを歴任。「news zero」(日本テレビ系)に火曜日パートナーとしてレギュラー出演中