長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は「秘密のケンミンSHOW極」(毎週木曜夜9:00-、日本テレビ系)をチョイス。
『人間集』として面白い「秘密のケンミンSHOW」
こないだ「ネプリーグ」を見てすごく楽しかったので、今回も、昔から知っているけど最近どうなっているか分からない番組をチョイス。「秘密のケンミンSHOW」である。都道府県ごとに県民性やご当地グルメなんかをフィーチャーする、言わずと知れた人気番組で、なんと15年もレギュラー放送が続いているというから驚きだ。47都道府県しかないのだからネタが尽きそうなものだが、15年も続いているとなると、地域性というのはきっと無限にあるのだろう。
私がこの番組に直接触れていた中高生時代の記憶と照らし合わせながら鑑賞していたのだが、「秘密のケンミンSHOW極」というタイトルにまず引っかかる。Wikipediaによると、司会がみのもんたから爆笑問題・田中裕二に交代したことで、タイトルも変更されたとのこと。キャッチフレーズである「エブリケンミン、カミングアウト」も廃止されたそうだ。いや、懐かしいなあ、エブリケンミン、カミングアウト。これを読んでいる方はぜひ一度、口に出してみてください。エブリケンミン、カミングアウト。いやー、エモエモの極みですわ。
番組自体はそこまで変化がないというか、コレが違う!と明確に言えるような部分は見当たらないのだが、スタジオのゲストの人数が大幅に減っているような気がする。私が中高生の頃は、もうちょっとたくさんいたような…まあ、昨今の情勢の影響もあるのだろう。ケンミンSHOWに限らず、久しぶりに見た番組では、スタジオの寂しさを感じることが多い。コロナウイルス憎しですね。
県民性をフィーチャーしたこの番組では、実際に現地に赴き、地元民にインタビューをする場面がかなり多い。改めて鑑賞していると、単純に『人間集』として面白いということに気付く。「月曜から夜ふかし」の街頭インタビューとはまた違った、良い意味で普通の人々による、個性的な受け答え。興味がその人自身に向いているインタビューと、ある疑問を解決するための手段としてのインタビュー、と分けることも出来ようが、なぜだか見ていて楽しいのは後者なのである。そのほうが、より素が出るというか、さりげないユーモアが出やすいというか…。何にしても、自分の中で、街頭インタビューという、テレビを見るときの楽しさがまたひとつ増えたことが喜ばしい。
「ケンミン刑事 見抜き事件補」という、犯人の言動から出身県をプロファイリングするミニドラマが挟まれていて、コレは初めて見た(出身県だけは絶対に言わねえぞ!という犯人が出てきて面白い)のだが、他は基本的に記憶通り。やはりケンミンSHOWも、その変わらない魅力から長く愛され続けている番組ということなのかもしれない。ちなみに私は福岡出身ですが、東京にリョーユーパンの『マンハッタン』が無いことに驚きました。世界一美味いパンなんですが、売らなくて大丈夫ですか?