コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、御崎そらさんの「淡々カップル漫画」。あまりにも淡々としているカップルの日常を描いた本作は、2022年11月1日にTwitterにて投稿が開始されると、4万以上のいいねを集めて話題になった。
11月30日に投稿された第30話で「高校編」が完結し、12月1日より「大学編」が投稿されている。今回の記事では「高校編」に注目し、作者の御崎そらさんに作品へのこだわりや創作の裏側を伺った。
あっさりとした告白にはロマンチックな理由が “最高の関係”を築く二人を描く
男子高校生・相田早秋は彼女ができないまま18歳を迎えたことを嘆いていた。「このままじゃやべえから」と喫茶店で近くに座っていた女性に突然告白する早秋。あまりの行動力に驚愕する友人を横目に、早秋は女性からあっさりとオッケーを貰い、彼女ができるところから物語が始まる。
実はこの女性は早秋の幼馴染・古河由紀で「18歳になって二人とも相手がいなかったら付き合おう」と約束していた。早秋はあらかじめ由紀を喫茶店に呼び出しており、突然「付き合ってくれ」と告白したのだ。あまりにもあっさりとした告白に由紀が不満げな様子を見せると、早秋は「これから先死ぬまで一緒に生きてくっつーのに告白がロマンチックだったらあとで恥ずかしいだろ」と伝える。飄々とした様子で飛び出した「将来の約束」に由紀は赤面するのだった。
“淡々と”した空気感とその中に見え隠れする甘々な関係性が多くのユーザーを惹きつけた本作。独特な関係性を築く早秋と由紀の二人にTwitter上では「最高のパートナー」「ニヤニヤが止まらない」「こんな関係性いいよな」といった反応が続出した。また、物語の後半で描かれる二人の大学受験や早秋の過去には「これどうなるんだ」「なにがおこっている…」といった反応が殺到するなど、読者の意表をつくようなストーリー展開も本作の魅力となっている。
「読者の驚く姿を見るのが大好き」作者・御崎そらさんが創作の裏側を語る
――「淡々カップル漫画」を創作したきっかけや理由があればお聞かせください。
本作を描き始めたのは約4年前なのですが、掲載当初、Twitterでは「付き合っているように見えて 実際は付き合っていない」といった関係性のラブコメ漫画が流行っていました。では、その逆の「付き合っていないように見えて 実際は付き合っている」という関係性のラブコメは面白いかな と思い、描き始めたのがきっかけになります。
――「淡々カップル漫画」に登場する早秋と由紀は独特の空気感をもったキャラクターですが、彼らはどのように生み出されたのでしょうか?
早秋や由紀に関わらず、私の作品のキャラクター全般に言えることではありますが、なるべく「作り物っぽくないキャラクター」を意識して生み出しています。なので、自分自身の考え方や言動が多く反映されています。
早秋と由紀なんかは創作活動始めたての頃のキャラクターなので、ほぼ私の分身みたいなものです。変にカッコつけるたがるところなんかは、私そのものですね。少々恥ずかしいですが、とても動かしやすいキャラです。
――「淡々カップル漫画」では、読者の意表をつくような展開が印象的でした。本作品を描いたときにこだわったことや、意識したことはありますか。
読者の驚く姿を見るのが大好きなので、安心しているところに爆弾を放り込んでやるような展開を作るのは大変愉快です。
とはいえ、その爆弾が放り込まれた理由をきちんと説明して、「なんだかんだあったけど、結果的には良かったね。」と言ってもらえるように、意識してシナリオを作るように心がけています。また、物語である以上 きちんと終幕させることにはこだわりを持っています。
――「淡々カップル漫画」の高校編は第30話で完結となりますが、特にお気に入りの話や注目してほしい場面などがあれば、理由と共にお聞かせください。
個人的なお気に入りは、「第6話」でしょうか。由紀が街でナンパに合う話ですが、早秋が由紀を助けるシーンは 自分の中でもよく出たセリフだなと未だに感心しています。
また、この回は後に続く大学編でも鍵になる話なので、ぜひご注目いただきたいエピソードですね。
――今後どのような作品を創作されていきますか?今後の活動について教えてください。
長い間、淡々カップルシリーズのキャラに頼りっぱなしだったので、今後は「御崎そらの作品と言えば淡々カップルの他にもこんなのがあるよね。」と言っていただけるよう、様々な作品を創作したいと考えています。
とはいえ、クスっと笑える人間ドラマを描くのが好きなので、「ラブコメ」や「ギャグ」が中心になってくるかとは思います。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも読んでいただき、誠にありがとうございます。皆さまお忙しい中、貴重なお時間を 私の作品を読む為に使っていただきとても嬉しく思います。そのお時間の満足度を高められるよう、私ももっと精進してまいります。