【恋ヘタ連載】田中圭インタビュー「高梨さんの演じる美沙は、意思が目に出る。そこがかわいい」
恋に不器用な男女が繰り広げる大人のためのラブコメディー「恋がヘタでも生きてます」(日本テレビ系)をもっと楽しむためのスペシャル連載。6月1日放送の第9話では佳介(田中圭)に元カノ・怜奈(大沢ひかる)が急接近し、美沙(高梨臨)と佳介の関係が暗礁に。そこで連載10回目は、苦しい局面を迎えつつある佳介役・田中圭にインタビュー!
ドラマの中の佳介は「恋もすごくヘタ」
――今、視聴者の間で「佳介がカッコいい!」と話題です。
ありがとうございます。僕、舞台を何回かやらせていただいているんですが、そのときの演出家の熊林弘高さんがこの間、突然連絡してきて「『恋ヘタ』ハマって見てるのー!」って。「あんな男が実際にいたらホレるよね~って思って見てる」って言われたのが、僕の中で一番大きい反響です(笑)。まさか熊ちゃんが?って。
――撮影が始まった頃、佳介は「欠点がひとつも見つからない王子様みたいな人」だとおっしゃってましたが。
それはあくまでも、原作の佳介です。原作ではすごくハイスペックなイメージですが、ドラマ版の佳介はもっと“人”だと僕は思っています。仕事でもけっこう失敗していたり、結局全話を通してたいした成功は収めていない(笑)。恋もすごくヘタ。原作のイメージは忘れずに、でも自分なりにどうやって佳介を血の通った人間にしようかなっていう部分には苦労しました。特に、決して普段は言わないようなセリフをどこまでリアリティを持って言えるかを課題に取り組みましたが、そのバランスは難しかったですね。
女の子同士の会話「僕は好きですね」
――美沙の言動で田中さんが「女性のこういうところがかわいいな」と思ったシーンは?
高梨さんが演じている美沙は、すごく意志が目に出るんですよ。自分がこうしたい、こう思ってる、という気持ちや悩みが目に出るんです。そういうとき、目を見ながら「面白いな~」って思ってお芝居していることは何回かありましたね。
――言葉ではなくて、目でのやりとりですね。
気持ちに迷いがある時は目にも迷いが出たり、「こうなの!」って言っている時は目でも「こうなの!」って言っているから、「ああ、はいはい」って(笑)。そこは大人の余裕で。佳介と一緒ですよ。「いいよいいよ、受け止めるから」って。
――包み込むように。
そうそう。で、「あ、今は何話しても聞いてくれないんだろうな~」って思ったり。
――前クールの出演ドラマ「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)に続いて今回も、“体の相性”とか“マグロ”とか美沙と親友の千尋(土村芳)が女性同士の身もフタもない会話を繰り広げています。女子同士のそういう会話、どうご覧になっていますか?
「恋ヘタ」の会話は可愛い方じゃないですか? 実際はもっとすごいでしょ(笑)。男と女って、悪い意味ではなく永遠にわかり合えないものですから。それに、女の子同士、そうやって何でも話し合うことでお互いを知って友情が芽生えたりもするんだろうなと思うと、僕は好きですね。僕自身、「恋ヘタ」のオンエアを見ていて序盤は美沙と千尋のリビングでの会話シーンがすごくホンワカしていて一番好きでしたね。
――現場で、私服のテーマを決める“ドレスコード”が流行っているそうですが、印象に残っているエピソードはありますか?
ドレスコードね、流行ってますね。でも僕、今ほかのドラマにも出演していて途中まで知らなかったんです。途中で知って「僕もやりたい」って話をしたら、「じゃあ明日はチェックの日です」って言われて。でもその日、僕は別の作品の撮影だったんですよ。それで朝、「恋ヘタ」のことを考えながら何となくチェックのシャツを着て行ったら、現場のマネージャーに「あ、田中さん、チェックのシャツ着てる(笑)。そういうの大事にするんですね」って言われて…すっごく恥ずかしくて、すごく面白かったです。
「もっとちゃんと言えよ!」って伝えたいです
――6月8日放送の10話では、元カノ・怜奈の存在感が大きくなる中、美沙との関係もまだギクシャクしたまま。そんな佳介をどう見ていますか?
もっと「ちゃんと言えよ!」って伝えたいです。美沙に対しても、佳介がひとこと言えば済んだことってすごくたくさんあって。それを、「そんなことないよ」としか言わないから、毎回美沙がウワ~ってなっちゃう(笑)。
――佳介は、気持ちが固まってから話したいタイプなんでしょうか。
僕としては「固まってから説明されても」って思うんですよね。とはいえ佳介がちゃんと気持ちを言ってしまったら、葛藤がなくなってドラマとして成立しない。難しいですよね。ドラマのフィクションとしての要素もものすごく大事で、リアリティもすごく大事。ただ、バスキアのみんなにも美沙にも「何でも話して」って言ってるのに「お前は何も話さないんだな!」とは思いますね(笑)。