「好きでいてほしい気持ちは年代で変わるものではない」
――「アワー・フェイバリット・ソングVol.4」では「私がオバさんになっても」の1曲がフォーカスされますが、発売から30年経ち、曲への思いに変化はありますか?
発売当時、こんなに長く愛されて、皆さんが必要としてくれる曲になるとは全く思っていなかったので、本当にすごくうれしいです。当時、“オバさん”という言葉をキーワードにしている曲はなかったと思うので、おそらくそのインパクトや潔さなど、そういうものが月日を経てつながっていって、今があるのかなと思っています。
――若い世代にも浸透している曲だと思うのですが、若い世代からも愛されている理由はどうお考えになりますか?
インパクトが強いというのもあると思うのですが、男の人にいつまでも好きでいてほしいという気持ちは年代で変わるものではないので、若い方はこの歌詞を“新しいな”と感じてくれているのかなと思います。
――この曲は森高さんにとってどんな存在ですか?
すごく幸せになれる曲というか、気持ちが本当に明るくなりますし、前向きにもなるし、“めっちゃ楽しい”と思いながらいつも歌っています(笑)。あとは、お客さんが声を出せるとき(コロナ禍前)は掛け声だったり、一緒に振りをやってくれたり、一体感というのが楽しくて。すごく一つになれる曲だとも思います。
――歌詞にはサイパンやディスコ、オープンカーのような、バブル前後を象徴するワードが出てきますが、今、歌詞をご覧になっていかがですか?
それが当時のリアルなのですが、他の曲でも“留守電”など、今では無くなったものもあるし、“それは違うよ”というものもありますよね(笑)。ワードを見ると本当に懐かしいなと思いますし、ライブを観に来てくださった若い方が分かるかなとも考えたり。あとは私の子供が、時代を感じるのだと思いますが、歌詞を「面白いね」とか言ってくれたりすると、「そりゃ、分からないよな」と思ったりもします(笑)。
“聴き手”が「感じてくれる言葉に興味があります」
――今回、番組では、岸谷香さん、峯田和伸さん、秋元真夏さん、柴那典さんがこの曲について語るということですが、収録時にエピソードを話されていた岸谷さん以外に、他の方とはどのような交流があるのでしょうか?
峯田さんと柴さんは「Love music」に来てくださいました。峯田さんはそのときに、若い頃にすごくファンだったとおっしゃって、CDなどいろいろなものを持ってきてくださいました。柴さんも「Love music」に来ていただいた後に本を出されて、その中で私のことも書いてくださっています。秋元さんは、「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)で本当にあいさつ程度でしか直接お話ししたことはないのですが、たまたまテレビを見たときに、私のことが好きだということをおっしゃっていて、すごくうれしいなと思っていました。
――その4名がこの曲について語っているというのはいかがですか?
インタビューの内容は私も見ていないのですが、普段、自分は発信しているだけなので、それを受け止めてくださる方が感じてくれる言葉にすごく興味があります。楽しみに聞きたいです。