ふだんのコ・ギョンピョは“愛されキャラ”
このように演技に対する集中力は高いが、普段の彼はかなりの“愛されキャラ”。三池監督も会った途端に彼の虜になったようだ。三池監督は「彼は過ちを犯しても簡単に許せてしまう魅力があるんだ。最初のミーティングで30分も遅刻して来た彼は、キャスティングの時に見たとてもスリムな写真とは違って太ってたんだよ。で、部屋に入ってくるなり、‟へへっ、私ダイエット失敗しました”って笑ったんだ。自分自身を全く隠そうとしない姿を見て“コイツ、本当に面白いヤツだな”って、大ファンになったんだ」と、彼の魅力について語っていた。
そして「痩せるって言ってたのに、撮影現場にもっと太って現れて‟ダイエットにまた失敗した”って。原作はスリムなサイコパスで、ビジュアル的にもそれが良いと思ってたけど、彼が失敗したとかわいく笑ってるのを見て、こんなふうに人を魅きつけるのもサイコパスの力かも、こんな点を浮き彫りにすれば、より良くなるのでは?と考えて、彼のキャラクターをそのまま受け入れることにした」と言い、「コ・ギョンピョは悪魔だよ」と笑っていた。
是枝裕和監督が現場に来たことがあり、三池氏はコ・ギョンピョを呼び、是枝氏に「この子かわいいだろ」と頬の肉を掴みながら紹介したんだそう。彼は「あーオレ、可愛がられてるなぁ」と思って嬉しかったようだ。
彼は、過去に髄膜炎になって以来、薬のせいで体重が増え始めたんだそう。「薬をやめたらすぐ痩せたんですが、皮膚が伸びてしまって、以前より太りやすいんです。だから、10㎏ぐらいは増減できるんです。この体質になって悩んだ時もあったけど、今はキャラクターを表現する方法がもっと多くなったと考えて、むしろ良かったと思っています」
「何でも10年はやってみろ」
うつ病やパニック障害など大変な時期もあったが、一度も辞めたいとは思わなかったそう。「どんな仕事も大変な部分がある。僕は勉強もできなかったし秀でた才能も無くて、俳優しか無かった。父親が“何でも10年はやってみろ”と言っていて、続けた結果、今は俳優としての目標はすべて達成できました。この仕事を選んで良かったです。でも、いつ崩れるかわかりません。常に競争が激しい真ん中に居るので、浮かれたり傲慢になってはダメ」と、常に謙虚だ。
「今のように使い道があって、信頼を与えられる俳優として、今後も黙々と演じていきたい」と努力を続ける彼に、映画からもドラマからもオファーが止まらない。今回の「コネクト」、そして第75回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したパク·チャヌク監督の「別れる決心」にも出演し、世界的にも知名度が上がった彼が今後見せる新たな姿が楽しみだ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/connect/5FklNCRWniwS
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