「SPRING BREEZE」初夏の野音で6組が熱いパフォーマンス!
雨のパレード
トリ前で登場したのは雨のパレード。それぞれの黒の衣装で登場した彼らのライブは、internude的な「speech」で幕開け。自身の声に合わせて倍音で加工した声が重ねられるエフェクトボイスと、流れてくるシンフォニックな音像が、夕暮れ時野音を覆っていく。
そこから「free」になだれ込むと、印象的なギターリフを伴ったシリアスな音像に観客もじっと聴き入っていく。続く「stage」では、打ち込みのサウンドを前面に出しながらも、非常にタイトな演奏を見せる。
MCでは、福永浩平(Vo)が「いい感じですね、日も少し落ちてきて。本当に雨降らなくて良かった! だいたい雨降ると俺らのせいにされるんで(笑)」と、自身のバンド名を引き合いに出し自虐的に語る場面も。
続けて、「俺らも今日スゴい楽しみにしてたんですよ。野音でやるの初めてで。合うよって言われてたんですけど、合いますかね? 野音仕様で、ディープにいきたいと思います」という言葉から「Count me out」へ。
続く「Tokyo」は、それまでに比べてかなり爽やかなテイストのナンバー。すっかり日も落ちてきたこのシチュエーションにこれ以上なく映える洗練されたサウンドに、観客たちも酔いしれていた。
「こう見えて本気で時代変えようと思ってるので、よかったらついてきてください。あとはハンバートハンバートで泣くだけですね! 僕も泣いて帰ります。次の曲は今日一番盛り上がる曲だと思います」(福永)という言葉と共に、ラストは「new place」。
サビでの観客の熱烈な盛り上がりに、福永は「最高です皆さん」とポツリ。最後は「ここで皆さん、真っすぐ手を挙げてください!」という福永の呼び掛けに応え、野音に詰め掛けた観客が一斉に手を挙げる美しい光景が広がった。
ハンバートハンバート
イベントのラストを飾るのはハンバートハンバート。まずは佐藤良成(Vo、Gt)と佐野遊穂(Vo)によるユルいアイドリングトークの後、CMソングでおなじみの「いついつまでも」を披露。CM同様に「ミサワホーム~♪」というフレーズを歌ったところで、観客からは笑いと共に大歓声が巻き起こる。
そのまま高田渡の名曲「生活の柄」を。佐野と佐藤がワンマイクで一緒に歌うその姿は、持ち前のカントリー~フォーク的なサウンドと相まって'50年代のような佇まい。
辺りもすっかり暗くなり、ステージ後方の照明がともり始める中、披露されたのは「ぼくのお日さま」。二人の美しくも温かなハーモニーに、観客も体を揺らしつつ聴き入っていく。
曲間のMCでは、まさに夫婦漫才のようなユルいやりとりで観客を笑わせていく。「野音はいいんだけど蚊が多いんだよね」という佐藤の言葉に反応した佐野は、蚊取り線香にまつわるエピソードをとうとうと語り出す。見かねた佐藤が早く話を終わらせようとする姿までも観客は楽しんでいる様子。
ひとしきり話し終わったところで「虎」を披露するが、佐藤が演奏の入りを間違えてしまい、佐野にイジられる場面も。続く新曲「がんばれ兄ちゃん」は、子供のこと成長を願うようなナンバー。そんな中、客席の通路では子供たちが走り回る姿があり、楽曲と絶妙にシンクロした光景が繰り広げられる。
佐藤の奏でるフィドルが印象的な「ホンマツテントウ虫」の後、童謡「幸せなら手をたたこう」を佐野が中国語と日本語で披露。日本語で歌った際は、観客一同がリズムに合わせて手を叩くなど、多幸感が野音を包み込む。
ライブも終盤にさしかかり、佐野のハーモニカから「国語」へ。「よし、(佐野)遊穂行け!」という佐藤の言葉を受け、ここぞとばかりにハープを吹き倒す佐野は、佐藤と背中合わせで演奏してみせ、観客からも大歓声が上がった。
本編ラストを飾ったのは「おいらの船」。おなじみのコール&レスポンスもバッチリ決まり、中盤には佐野がラップのような歌い回しを披露するなど、サービス精神満載で観客を大いに盛り上げた。
鳴り止まないアンコールに応え再び登場した二人は、「寝かせ玄米」などにまつわるユルいトークの後、名曲「おなじ話」を披露。切ない歌を持ち前の暖かみのある歌で丁寧に紡いでいき、観客は固唾(かたず)を飲んで聴き入っていた。最後に二人は「ありがとう! またね」とあいさつし、しっとりとライブを締めくくった。
なお、ライブの模様は7月26日(水)SPACE SHOWER TVにて放送される。そちらもぜひチェックしよう。
7月26日(水)夜10.00~11.00
SPACE SHOWER TVで放送
※8月にリピート放送を予定