12月26日(月)、27日(火)に、ドラマ「岸辺露伴は動かない」(夜10:00-10:54、NHK総合)の第3期が放送される。同作は、荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした同名コミックが原作。相手を本にして、生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊な力“ヘブンズ・ドアー”を持つ漫画家の岸辺露伴(高橋一生)が、編集者の泉京香(飯豊まりえ)とともに奇怪な事件や不可思議な現象に立ち向かうドラマ。第3期では「ホットサマー・マーサ」と「ジャンケン小僧」の2作が描かれる。WEBザテレビジョンでは、同ドラマで演出を務めた渡辺一貴にインタビュー。今回の2作を題材に選んだ理由や、3期目にあたり変化した部分、ゲストで出演する古川琴音、柊木陽太の魅力などを語ってもらった。
やりがいのあるテーマだなと感じました
――「ホットサマー・マーサ」「ジャンケン小僧」を選ばれた理由を教えてください。
「ホットサマー・マーサ」は2022年春に発表された新作で、「新作が出たらぜひ!」というような話もしていたので選ばせていただきました。僕たちが今まで描いてきたドラマの世界というのは、現在と少しだけ離れた世界で、完全なフィクションの世界というよりはもしかしたら存在するかもしれない世界という方向性で描いていたのですが、「ホットサマー・マーサ」はコロナ禍の今を彷彿とさせる設定なので、一気に現実の世界に近づいてきたというのがとても面白いなと思いました。何か大きな災厄が起こってしまった時に現れる人間の滑稽さや愚かさ、極端な自主規制の問題、過剰なファン心理など、すごく今日的なテーマが散りばめられていて、やりがいのあるテーマだなと感じました。
「ジャンケン小僧」は、前々からやってみたいと思っていた題材です。私自身が「ジョジョの奇妙な冒険」の世界を映像にしたいと思ったきっかけになったエピソードでもあったので、3年目に満を持してやらせていただきました。今回の2作はかなりメッセージ性の強いものと娯楽性の強いものといったように両極端なので、異なる岸辺露伴の一面を見ていただけるのではないかと思います。
僕が演出をする上での発想の源泉は、半分くらいがは「ジョジョの奇妙な冒険」です
――「岸辺露伴は動かない」とは監督にとってどのような作品ですか?
僕が映像作品を演出をする上での発想の源泉は、半分くらいが「ジョジョの奇妙な冒険」です。そして、30%が筒井康隆さんで、残りの20%がプロレスだと思います(笑)。なので、何か考える時に思い出すのは荒木先生の作品というのが大きいかもしれないです。
――荒木先生の作品のどのようなところに魅力を感じていますか?
せりふの言い回しや言葉のチョイスなどたくさんありますが、一番大きいのは前例にとらわれない、常識にこだわり過ぎていないという部分かなと思います。僕たちが途中で止めてしまうような突飛な発想を荒木先生は止めずにさらに増幅している気がしていて、そういう思考は僕たちにも大事だなと思います。
TCエンタテインメント