人とくらべない、と伝える
さて働いておりますと、子どもとの生活の時間のやり繰りが、本当に大変ですよね。習い事は子どもが頑張るものというより、養育者が頑張るものなのだ、と親になってからわかりました。毎週同じ時間に同じ場所に連れて行くことの大変さ。発表会などあった日には、仕事より厳しいスケジュールを強いられることもありますものね。わたしの頑張りが足らなかったのか、娘が興味が続かなかったのか、習い事がなかなか続きません。学校以外のコミュニティを作ってあげたい、と思いますし、わたし自身は子どもの頃にたくさん習い事をしてきました。させられたと思っていましたが、親は仕事をしながら送り迎えをしてくれていました。大変だっただろうと思います。その習い事のいくつかは、今もわたしの大切な趣味になっています。特にピアノは、うちのリビングの一番いい位置に鎮座して、時折人を集めてピアノを披露してみたり、娘にピアノを教えてみたり、連弾してみたり、無理矢理頑張ってきた習い事は、今になってありがたかったと感じます。
娘は中学校に上がり、一人で行き帰り行けるようになりましたから、今からでも興味のある何かを見つけてくれたらいいなぁと思っています。押し付けない程度に声をかけていますが、なかなかそれも難しいものです(笑)。
うちの娘は、よく言うんです。「○○んちのママは、いつも家にいるよ!」って。そのたびに、さみしいよね、と思いつつも、人のうちは人のうち、うちはうちだから、と話しています。
人と比べない。なんにもいいことないから。わたしもね、人と比べてきたけど、勝ってる! と思ったって、負けてる! と思ったって、結果いいこと一個もなかったから。と、話しています。
でも、どうやら子どもにとっては親はヒーローなようで。それはどのお宅もそうなのかもしれませんよね。親の仕事の様子をみたり、聞いたりすることは自慢なんだと思います。
娘が通っていた小学校では、親の仕事授業というものがありましてね、親が一人ずつクラスで自身の仕事はこういうものです、と発表するんですね。わたしもやりました。お笑いライブを。その時の楽しそうで誇らしげな娘の顔を覚えています。
気がついたら長くなりました。もしここまで読んでくださっていたらありがとうございます。良さげなことを書いてきましたが、一番やっているのは、物で釣る、そして後日、反省です(笑)。年々、要求される物も高額になっていきますので、このまま物で釣っていると破産です。一刻も早く物ではない方法で文句を言われない関係性を築きたくと願う今日この頃。
仕事で疲れているところにエネルギーが残っていないですし、こちらは年々歳をとりますので、数年前と同じというわけにもいきませんしね。ご自身のお体と相談しながらお風呂での数分のコミュニケーション、オススメです。
この連載に書き下ろしエッセイを多数加えた書籍『母が嫌いだったわたしが母になった』が、2023年2月21日(火)に発売されます。現在、各ネット書店にて予約受付中!
青木さやか
1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ!」のネタでバラエティ番組でブレイク。2007年に結婚、2010年に出産。2012年に離婚。現在はバラエティ番組やドラマ、舞台などで幅広く活躍中。
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