お互いの目が印象的で…
――お互いの魅力を教えてください。
瀬戸:圭祐は目がすてきだなと思います。吸い込まれるような目をしているので、見つめ合うシーンでも見とれてしまうことが度々ありました。それによって真澄の芝居も変わってきていると思います。
中田:いやぁ、うれしいですね。利樹もすごく優しい目をするので、潤んでいるときはもらい泣きしそうになるし、お互いにいい影響があったと思います。
また、利樹はすごく視野が広くて、一人一人をよく見ていて堂々としています。ふにゃふにゃしているオフの利樹もかわいいですが、オンの利樹はすごくかっこよくて、それをずっと間近で見ていていいギャップだなと思っていました。
――BL作品は二度目の挑戦となる瀬戸さんですが、前作との違いや、今回新たに苦戦したことはありますか?
瀬戸:「先輩、断じて恋では!」(毎日放送、2022年)は、とてもピュアなラブストーリーでした。でも今作は、物語としてもラブシーンとしても結構ディープなものが描かれているので、テイストはかなり違いました。
また、今まで自分が出演してきた作品では泣くシーンが多く、8割くらい泣いている体感だったのですが、その2,3倍くらい泣くシーンが多くて…。感情がとても忙しかったので、そこがとても大変でした。身を削りました。おかげでぐっすり眠れました(笑)。
――中田さんはBL作品に初挑戦となりましたが、いかがでしたか?
中田:もちろん濡れ場の前は構えてしまうこともありましたが、ほかのヒューマンドラマと同じような感覚でやらせていただきました。その場で利樹と話し合って、原作からのインスピレーションを大切に、自分なりに表情や動きなどを考えて演じました。
大枠は原作に沿っていますが、意外と監督も、細かいディティールは「二人だからこそ生まれるリアルを追及してほしい」という撮り方だったので、現場で利樹の表情とその場の空気を感じて、そのとき心から出てきた思いを言葉と動きに込めました。
“馬乗りシーン”と“謝罪シーン”に注目
――一番好きなシーンを教えてください。
瀬戸:汚い言葉を使って律のことをののしりながら馬乗りになるシーンがあるのですが、撮影も終盤で、真澄という役がすでになじんでもいたので、ああしようこうしようと考えずに自分の気持ちに正直にぶつかっていけたシーンでした。そこは長回しで臨場感もあるので、自分でも楽しみにしているシーンです。
中田:最後に真澄に謝罪をするシーンがあるのですが、真澄のことをずっと思い続けていたことが感じられる最後で、すごく印象に残っています。
瀬戸:唯一の律からの吐露だったよね。
中田:うん。クールで今までそういう姿を見せてこなかったからこそ、そのシーンは熱い思いが込み上げました。思い出深いシーンです。
必死に真剣に向き合った官能シーン
――官能的なシーンも見どころの一つだと思いますが、どんな点に注目してほしいですか?
瀬戸:僕は、律の動きに順応するのに必死でした。映像的に制限があるので、表情で見せられるように気を付けました。監督と圭祐と一緒に動きの流れを話し合って、必死に頑張りました。
中田:きれいなものであると思うし、おちゃらけることでもないと思うので、すごく真剣に“真澄が好きだ”という気持ちを大事にしました。リアルに見せなくてはいけないという作業が難しくもあり、二人で話し合いながら進めました。真剣に向き合って撮れた画だと思います。
瀬戸:動きが大きすぎるとどうしても画面が揺れてしまったり表情がぶれてしまったりするので、なるべく顔を動かさずに、いかに躍動感を見せるかというところはすごく難しかったです。
中田:それでいてちゃんと演技もしなくてはいけないということでとても難しかったですが、勉強になりましたしすごくやりがいがありました。
瀬戸:初めての官能シーンが撮影序盤の3日目だったのですが、逆にそのおかげでその後の撮影はもう何も恥ずかしいこともなくなりました。