BS-TBS「報道1930」が放送1000回に到達 過去には岸田文雄内閣総理大臣も出演
番組コメンテーター・堤伸輔「極限状態に近いかもしれない」
1000回と聞いて頭に浮かんだのは、歌舞伎の「勧進帳」だ。現・松本白鸚丈が弁慶を1000回演じて話題になったことがあった。もう一つ、比叡山の行者による「千日回峰」。来る日も来る日も、最長1日84kmの険しい山道を歩き続ける。
MCの松原耕二さんは、どちらの気持ちだろうか。毎日、スタッフの用意した台本やフリップを練りに練り、視聴者にスッと届くよう、オンエアギリギリまで改善を続ける。弁慶が朗々と読み上げる勧進帳は、実は白紙らしいが、台本は白紙というわけにはいかない。決して手を緩めない松原さん、体力的・精神的には千日回峰の極限状態に近いかもしれない。
その大変さをレギュラー解説者である私がいくばくなりとも支えられているのかは心許ない。しかし、松原さんのあとを必死に追い続けて峰の先に1000回が見えるところまで来た。
番組コメンテーター・パトリック・ハーラン「柔軟な姿勢にいつも感銘を受けます」
1000回放送、おめでとうございます! ファストフード、ファストファッションの時代にファストジャーナリズムも増えている傾向にあります。そこで、一つのテーマをじっくりと丁寧に、各方面から検証し、議論を重ねて熟慮を促す。そんなスロージャーナリズムの代表格として確固たる地位を築いてきた報道1930に参加させていただけて光栄です。
さまざまな分野のエキスパートやオーソリティーを論客として招きながらも、斬新な見解も、大胆な提案も受け入れるという柔軟な姿勢にいつも感銘を受けます。これからもずっと平日毎日19時30分から高論卓説を聞かせていただきたいです!
プロデューサー・貞包史明「追及心があることがこの番組の強み」
「これからバフムトに向かいます。これは内緒ですが…」
これはロシアのウクライナ侵略以来「報道1930」のスタッフがコンタクトを取り続けているウクライナ兵士との会話で出てきた言葉です。バフムトは最悪の戦況の街。この会話はオンエアには出せません。そして2週間後、この兵士と再び連絡が取れたことで、私たちは胸をなでおろします。
“スタジオが取材現場になる”をうたい文句に番組を始めて4年と3か月。1000回を迎えます。私たち日本の常識が、世界的に見てどうなのか、今の日本の判断は歴史的に見るとどう捉えられるのかを常に考えてきました。
そして松原キャスターの拘りの取材現場となる1時間半のスタジオの裏に、現場を取材して取材して、悔しがったり悲しんだり怒ったり、喜んだりして、積み重ねたスタッフの頑張りとFACTへの追及心があることがこの番組の強みです。
「報道1930」が1000回を迎える間にも世界は大きく変わりました。次の1000回を迎えた時、スタッフがどんな取材をし、何に憂い何に喜び、松原キャスターが何を伝えているのか、今から楽しみにしています。