コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はマンガ家として活動している茶菓山しん太さんの『キスがしたい為に低脂肪牛乳を飲んだ話』をピックアップ。
女子と良い雰囲気になった男子が、奮闘する姿を描いた作品だ。緊張のあまりにとった行動には、読者からコメントが殺到。2万以上の「いいね」が寄せられた同作品について、作者の茶菓山さんに創作の裏側やこだわりなどを伺った。
趣味のあう女子と良い雰囲気に…
ひょんなことからクラスのオタク女子と仲良くなった男子。本やゲームなど、互いの趣味のアイテムを貸し借りし合い、順調に仲を深めていく。
ある日、いつもと同じように部屋で対戦ゲームに没頭していた2人。そんな中、不意に男子から「キスしたことある…?」という質問が飛び出す。緊張感が増した2人だったが、女子からの「喉乾いた…」という一言で、男子は飲み物を取りに行くことに。しかしガチガチに緊張してしまい、なぜか取ってきたのは「低脂肪牛乳」だった…。
リアルすぎる男子の緊張感に共感の声が上がる一方、2人の距離感にも反響が集まる同作。「わかりすぎて胸が苦しい」「気持ちがわかりすぎる」「ただ2人を見守りたい」などといった声が続出している。
“なにかいけないことをしている”雰囲気が醍醐味
――『キスがしたい為に低脂肪牛乳を飲んだ話』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
この1つ前に描いた「気付いたらこうなってました」という作品が発端ではあるのですが、元々「行きずりの恋愛」をテーマに漫画を描いてみたかったのがあります。実際、友情から愛情に変化していく過程の中で、純愛を通らない事も世の中にはありまして、そういうものを作品にしてみたら読者はどう感じるのだろう?という「疑問」が作品を作る上でのキッカケになりました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
上手く描けているかはわかりませんが、男女間に置ける質感、温度感、などです。この人とこういう感じになってよいのだろうか?なにかいけないことをしている気がする。こういった空気が大好物なので、刺さる人には刺さって頂けたらと思っております。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
『キスがしたい為に低脂肪牛乳を飲んだ話』でいうなれば、男の子の「低脂肪牛乳しかなかった!!」というセリフです。ギャグの部分にもなっているのですが、別に飲み物は水でもいいのに、律儀に冷蔵庫から牛乳を持ってくるテンパリ具合が個人的にもツボです。それに対する女の子の「がっつき過ぎ…」という返答も、それまでの空気感の落差や湿度感が表現出来たと満足しています。
――“「低脂肪牛乳」を使ってキスに持ち込む”というユーモアのある描写でしたが、これは茶菓山さんの体験にもとづくものなのでしょうか?
大部分が一応フィクションです、とだけお答えしておきます(笑)。実際初めてキスする時って凄く緊張して喉が渇くケースが多そうと考えた上でのネタです。こういった淡い体験、もっとしてみたかったですね…!
――個人的に登場する女性キャラはとても魅力的な印象を持ちました。描く際は何かモデルがいたのでしょうか?また女性を描く際に意識していることもあれば教えてください。
私がオリジナルで創る女の子像は大部分はフィクションではあるのですが、拙作の『柚子川さんは、察して欲しい。』という漫画のメインヒロインは、私が中学生の時に実際に居た方をモデルにしています。
文武両道、才色兼備、分け隔てる事なくみんなとお話もできるのに、どこか影のあるミステリアスな部分もある漫画に出てくるような方でした。なので、たまにではありますが自分の記憶に強烈に残った人だったりをモデルにすることもあります。今回の漫画のヒロインはそれのMIXだと思ってください。
――今後の展望や目標をお教えてください。
Twitterという媒体でオリジナル漫画を描くというのは、当初全然意識していなかったことなんです。しかし、去年あたりから「やってもいないのに批判するようなことはかっこ悪いな」と思い、ほぼ毎日投稿をやってみました。
結果、自分でも驚くくらいの反響をいただいたので大きな経験の1つとなりました。今後も勉強を含めやっていくつもりです。また商業誌で連載する時の糧になれば良いなと思って日々精進しております。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画というのは、個人的な見解なのですが「気楽に楽しめる娯楽」だと思っておりますので皆様の人生の中で拙作を読んだことにより、一瞬でも楽しい気分になれたと思っていただけるように、これからも頑張ります。なので、少しで良いので応援して頂けると幸いです(笑)。