心に残っているシーンは?
ーー番組制作に懸ける思いを感じられるような熱いシーンやクスッと笑えるシーンなど印象的なシーンが多い同作ですが、特に心に残っているシーンを教えてください。
生田:矢本悠馬くん演じる山岡の後輩AD・大江が、現場がつらくて逃げ出そうとするシーンがあるのですが、そのときに山岡が言う「主演が降板したって脚本家が変わったって誰かがその穴を埋めて毎週放送される していくのがテレビだよ。でも俺はお前と最後まで走り切りたいんだよ」っていうセリフが印象的でした。金子さん自身の思いも入っているんだろうと思いますし、どの職業にも当てはまるような、思い出深いシーンです。
阿部:最初、中井貴一さんのもとに生田くんを連れていく場面です。かねてから中井貴一さんのお芝居を見たいと思っていましたし、ちょうど撮影日が中井さんのお父様である佐田啓二さんの命日だったんですよね。なんだか感動的でした。
ーー当時のドラマの撮影方法は現在とかなり異なっていると思いますが、驚いたことなどはありましたか?
生田:現在の撮影現場では、本番前のカウントがせいぜい5秒前からなのですが、この時代はカメラを回してから本番まで30秒、じーっと待っている。収録機材が安定するのに、時間がかかるからということですが、あれは地獄みたいに緊張しますね(笑)。
阿部:最後に桜田門外の変のシーンがあるのですが、そこで雪に見立てるために、みんなで布を持って走ったんです、おじさんばっかりが50mくらい(笑)。競技みたいでなんだかすごく楽しかったです。
ーー今回制作の裏側や苦労を知ったことで、何か変わったことはありますか?
生田:本当に僕らは現場に入る時間も一番遅く、スタッフの方よりも早く帰っていますが、皆さんはそのあと残って仕事をしたり、家に帰ってもやらなきゃいけないことがあったりする。そういうことを再認識させてもらったと思います。
阿部:「何か現場が止まってるな」と思った時には、いろいろと考えるようになりました。何が起きているんだ...!? みたいな(笑)。より敏感になりました。