コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は見た目は凶暴そうなのに、自己肯定感が高めで愛らしい獣人を描いた漫画『愛されて育ったでかい獣人の話』をピックアップ。
作者であるイラストレーター・ヤシンが、1月16日に本作をTwitterで公開すると、犬のような獣人の独特の愛らしさが話題となり、3.8万件を超える「いいね」を集めた。本記事では、作者のヤシンさんに創作のきっかけなどを聞いた。
見た目に反して自己肯定感が高すぎる獣人
ベテランの賞金稼ぎ“エリック”と、大型犬の見た目をした獣人“ヴォルフ”。ヴォルフは人間の男性よりも頭ひとつ以上飛びぬけて大きい体格で、彼を常に連れて歩くエリックには「あの獣人を操って何百という賞金首を葬った」という噂まで流れている。
しかし、ヴォルフは自分が怖がられているとは知らず、「何の話してたんだろ…」「おれがかわいいって話かな?」と予想。「でもなんで誰も撫でてくれなかったんだ…?」と考えていると、不注意で扉に頭をぶつけてしまう。心配するエリックをよそに、ヴォルフは「おれが大きいから手が届かなかったんだー!!」と自己解決。ヴォルフは自己肯定感が高すぎる獣人だったのだ。
ヴォルフの性格と愛らしい表情に、Twitter上では「的確に犬の心理を捉えてる」「愛されて育ったワンコってこういうところが可愛いんだよね。これぐらい自己肯定感高く生きたい…」「かわいい!なでなでしたい!」といったコメントが寄せられた。
作者・ヤシンさんが語る創作の裏側&“自己肯定感”とは「自分を好いてくれる人を信用することかもしれないです」
――「愛されて育ったでかい獣人の話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
SNSで、自分のことをまだ仔犬だと思って、飼い主さんに甘える大型犬の投稿を目にしたのがきっかけです。我が家の愛犬にも共通する部分が多く、もしも、いかつい見た目のキャラクターが愛犬やSNSで見たワンちゃんのように甘えん坊な性格だと面白いな、と思って漫画を制作しました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
こだわった点はヴォルフの見た目です。現実の犬と同じく、テンションが低いときはクールそうな顔に、はしゃいでいるときはかわいい顔になるよう描き分けました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「おれがかわいいって話かな?」のセリフです。かわいがられて育った犬は、常に自分が話題の中心にいると信じて疑ってなさそうだな…といつも愛犬を見て感じていたので、ヴォルフのセリフにしました。人懐っこい犬と触れ合ったことがある方には共感いただけるかと思ってます。
――作中では「自己肯定感」というワードが出てきますが、ヤシンさんが考える「生きるうえでの自己肯定感」とは、どのようなものだと思いますか?
何か嫌なことがあっても、むやみに自分が傷つくようなことを考えないパワーだと思ってます。私自身そこまで自己肯定感が高い方ではないので、愛犬から学んでいる最中です。
――登場キャラのヴォルフのように自己肯定感を高くするために、必要なことは何だと思いますか?
ヴォルフはエリックが「かわいい」「良い子」と言って育ててくれたことを無条件で信用したからこんな性格になったのだと思ってます。自分を好いてくれる人を信用することかもしれないです。
――ヤシンさんがキャラクターを考えるうえで意識していることを教えてください。
ギャップのあるキャラクターが好きなので、いかつい見た目のキャラには繊細な一面、かわいい見た目のキャラにはワイルドな一面がつくようにすることは多いです。
――今後の展望や目標をお教えください。
『愛されて育ったでかい獣人』は愛犬をモデルにしている部分も多く、描いていて楽しい話なのでもう少し続きを描いていきたいです。ゆくゆくは本にまとめて出したいなと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも作品をご覧いただきありがとうございます。引き続き楽しんでいただけるようより精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!