「22年目の告白」入江悠監督が約2年がかりで完成させた緻密な脚本に脱帽
藤原竜也、伊藤英明のW主演で、6月10日に公開された新感覚サスペンスエンターテインメント大作「22年目の告白-私が殺人犯です-」。7週連続1位を獲得してきた「美女と野獣」を抑え、週末動員・興行収入共にNo.1を獲得する大ヒットスタートを記録した。
主演の藤原が「今までで一番宣伝しにくい映画」というように、とにかくネタバレ厳禁の本作。鑑賞者からも“見事にだまされる予想外の展開”に、早くも絶賛の声が集まっている。
本作のような“どんでん返し映画”は、これまでも多々あったが、それを踏まえて本作が支持される秘密に迫る。
例えば、小栗旬主演の「キサラギ」。同作は自殺したアイドル・如月ミキの5人のファンが集まり、彼女の死の真相を推理していく密室サスペンスだ。面識のない初対面の5人の男が、自殺したと思われていた如月の死について、本当は他殺だったのでは?と真実を暴いていく。
そもそも5人の正体は誰なのか、たどり着く衝撃の真実とは一体何なのかという、誰もが驚くどんでん返しのストーリーが高い評価を受け、日本アカデミー賞の作品賞など3部門を受賞した。
また、大泉洋主演の「アフタースクール」もどんでん返し映画の代表作の1つだろう。
同作は「甘くみてるとダマされちゃいますよ」のキャッチコピーの通り、誰もが気付かないうちにだまされてしまうトリックが随所に仕掛けられている。
教師の神野(大泉洋)のもとに同級生と名乗る男・北沢(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。北沢は神野の親友の木村(堺雅人)の行方を追っており、2人は木村を探すことになるのだが…物語は予想のつかない展開が待ち受けていた。
「運命じゃない人」や「鍵泥棒のメソッド」など、二転三転する緻密な脚本を得意とする内田けんじ監督の手腕が評価され、こちらも日本アカデミー賞脚本賞を受賞した。このように脚本が肝となるどんでん返し映画は、見る者の心をつかむだけでなく、業界からも高い評価を受けた。
映画「SR サイタマノラッパー」(2009年)で新進気鋭の才能を見せつけた入江悠監督は、韓国映画「殺人の告白」を大胆にリメークした。
「題材がまずチャレンジングでした。個人的にはサスペンス映画をずっとやりたくて、初めて全面的に向き合えたのが一番の挑戦でした」と今までの監督作とは違う念願の“サスペンス映画”への挑戦だったそう。
さらにオリジナルを超えたいと思い、入江監督が約2年にわたって実に37稿を重ね脚本を完成させた。
「自分たちだったらもっと面白くできるんじゃないかと貪欲に追求しました。オリジナルの面白さを削がないように、観客が一瞬でも冷めてしまわないように、リアリティーを追求することを心掛けました」と自信を見せる。
警察の描写や殺人犯の内面、時効問題などの法律、マスメディアの描き方など、その道のプロが見てもうそに見えないよう徹底的にリアリティーを追求。そうして出来上がった本作だからこそ、誰もが驚く展開に高評価の声が上がっている。
「『22年目の告白』を予備知識なしに見たけど、初っぱなからぐぐっと引き込まれて、テンポの良さに最後まであっという間でだまされた!」「すごく面白かった! おすすめ! ゾッとした! 伏線もきれいに回収! だまされた~」など、衝撃のどんでん返しにどハマリする人が続出している。
入江監督が緻密に作り上げた見事な脚本を劇場で堪能し、この夏は極上のどんでん返し劇で、思う存分ひっくり返ろう!