100億ウォンを奪われたコ会長が放った刺客
ムシクの敵はテソク、スンフンだけではない。ムシクを目の敵にする韓国大使館の領事やムシクに利権を取られそうになった市長、そして、S1でソジョン(ソン・ウンソ)とフィリップ(イ・ヘウ)に100億ウォンを奪われたコ会長(イ・ヘヨン)は、テソクに「2人を殺してカネを奪ったのはムシクだ」と吹き込まれ、ムシクを殺すために釜山から暴力団を送り込んだ。彼らのワナにかかったムシクは絶体絶命のピンチに遭うが、九死に一生を得る。
また、食堂の女主人も誤解と思い込みからムシクに反感を持つようになる。彼女の家に麻薬があると通報があり、警察が家宅捜索に来たところ、車庫から全く覚えのない麻薬が出てきて逮捕されてしまったのだ。彼女は、ムシクの陰口を言っていたのを知られて、仕返しの為に彼が麻薬を置いたのだと思い込む。だが実は、彼女の恋人が隠した物だった…。この誤解が発端となってムシクを危険に陥れることになる。
右腕・ジョンパルとの関係が崩れ始める
さらに、ムシクの絶対的な右腕のジョンパル(イ・ドンフィ)との仲も揺らぎ始める。ジョンパルは中国の三合会から「一緒に事業をやらないか」と誘われ、資本金を出してくれないかとムシクに頼むが、危険な組織だとわかっているムシクは親心から「絶対にやるな」と出資を断った。
独立心が芽生えたジョンパルは、未熟者呼ばわりしてくるムシクが面白くない。結局、三合会から資本金を借金するが返済できず、金を作るために賭博に手を出した。しかし、やればやるほど負け続け、借金額は最終的に8000万ペソにもなってしまい、ムシクの命令で韓国に逃げ帰ることになった。ジョンパルを本当の弟のように可愛がっているムシクは、三合会に頭を下げ、必ずジョンパルに返済させる、と約束した。
このようなムシクの苦労も知らず、フィリピンに戻ってきたジョンパルは、ムシクを保証人にして韓国の知人にさらなる借金をした。稼いでコンスタントに返済すると約束したにもかかわらず、ジョンパルは一向に借金を返さなかった。「親の心子知らず」にも程がある。ムシクはジョンパルの性根を叩き直す為に、彼を殴り倒し、「この世で一番のクズは、オマエを愛してくれる人を裏切ることだ。そんなクズになりたいのか?業界から追放されたいのか?」と諭した。
しかし、彼には響かなかったようだ…。ジョンパルは、ムシクが去った部屋で悔しさと怒りが混じった目で息を荒げていた。「全話が公開になれば、イ・ドンフィの新たな代表作となるだろう」と監督が絶賛するジョンパルの変貌にも注目だ。
孤立無援のスンフンvs強力な後ろ盾のムシク
一方、スンフンはムシクに反感を募らせる中、粘り強い捜査で、ソジョンとフィリップ殺害と100億横領の背後にムシクが居ることを確信する。だが、捜査を進めたくても彼を恐れて誰も協力しない。同僚のマークからも、ムシクはフィリピンで一番の権力者であるカジノのビッグボス・ダニエルと懇意だと知らされる。孤軍奮闘のスンフンは、強力な後ろ盾を持つムシクにどう立ち向かっていくのだろうか。
一気に増えたムシクの敵、そして次々に起きる事件や問題…と、息つく暇も無いほどの展開で、俄然面白くなってきたS2。いくつも敷かれた伏線が、どこでどう繋がっていくのか期待が高まる。第3話のラストで殺人事件が起き、これがムシクを人生最大のピンチに陥れることになるのだが、敵となる人物が他にもまだ居そうな気配。また、ムシクにかかわる新たな人物も今後登場するようで、毎週、次回が楽しみでたまらなくなりそうだ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
Happinet
発売日: 2023/04/05