30歳の自分を表す言葉として、一番合っていた。
――タイトルが「-極光-」という意味深なものになってます。
まずは漢字にしたかったんです。「○○フォトブック」とかは違うなって。あと、極光ってオーロラのことなんですけど、調べたらオーロラってそもそもかなりレベルの高いところまでいかないと肉眼では白くしか見えないんですよ。それを知って、僕もそういうヤツなのかなと。ステージに立っているときは別ですけど、自分が輝いているというつもりは一切なくて、ファンの方々のフィルターを通して「あの人はすごい」って思われてる。そういう意味も踏まえてこのタイトルにしようかなと。あとは、オーロラの常に揺らいでいて定まっていないところも僕に似てるなと思って。
――30歳の自分を表す言葉としてこれが一番合ってると。
現状はそうだと思います。ハタチのときだったら絶対言ってないですね。
――ハタチだったらなんてタイトルにしたと思います?
いや~、多分、KUDO TAIKI's Photo Book Specialなんとか…みたいにしてたかもしれないですね(笑)!
――(笑)。そう言えば今作について、ブログでも意味深なことを書いてましたね。「ひとつひとつに意味がある」とか。
そうですね。今回は写真の他に僕が書いた詩も載っていて、付属のメイキングDVDの後ろに引いてあるBGMも僕が作っているんですけど、そのタイトルも「極光」なんですよ。ということは……あとは察してくださいっていう感じです!
――それは気になりますねぇ。
僕も早く言いたいです! でも、鋭いファンの子は気付くかと思います。
――ファンの人には必ず手に取ってもらいたいですね。
僕はアイドルの写真集をよく買うんですけど、写真集を見ると普通はハッピーになると思うんですよ。でも、「-極光-」の場合はハッピーにはならない気がします、質感とか温度感的にも。テーマ的にも消えて無くなりそうなところを切り取ってるし、今見るのももちろんいいんですけど、半年ぐらい経ってからまた見直してみて欲しいですね。表紙も僕の顔のアップではないんですよ。逆光になった僕の影が写ってるだけっていう(笑)。
――まるで風景写真みたいな。
これにはちゃんとした意図があって。これは書店だと写真集ゾーンに並ぶじゃないですか。あのゾーンっていろんな人の顔のアップがたくさんあるんですよね。この表紙ならそういうなかで目を引くっていうのもありますし、僕がアイドルの写真集を買う時ってそれをレジまで持っていくまでが恥ずかしいんですよ。なので、今回もそれと同じ現象が起こると思って、文庫本みたいに格好つけてレジまで持っていける表紙にしたら買いやすいんじゃないかと。
――そこまで考えたんですか。
「顔がわからないから買わないじゃん」っていうのもあったんですけど、僕のことを知っていて買いに来る人のほうが多いんじゃないかなと思って。なので、今回は振り切らせていただきました。
――現段階ではまだ制作途中ですが、満足できる内容になってますか?
満足してます。いろいろ言ったらキリがないんですけど、やれることは全部やったかなっていう気はしてます。
――これで心置きなく30歳を迎えられますね。
そうですね。そう思います。
阿刀 “DA” 大志
発売中
定価:3500円
オールカラー80ページ
メイキング映像DVD付き
撮影:太田好治
出版:主婦と生活社