東日本大震災から12年…語り部として活動する元教師の“願い”<あれから10年これから10年スペシャル>
3月11日(土)に「あれから10年これから10年スペシャル ~伝える力~」(夜11:00-11:30、BS-TBS)が放送される。同番組は、震災から10年が経った2021年に放送開始。東日本大震災時、当時10代だった若者を取材し、「被災からの10年」と「今」、そして「未来に向けての10年」を伝えるドキュメンタリー番組だ。
多くの人々を救ったのはシンプルな“教訓”
東日本大震災から早12年。2015年から放送を開始した前身の番組「校歌を訪ねて」(BS-TBS)から数えて約8年、現地での取材で頻繁に接するのは「津波が来たら高いところに逃げろ」という単純な教訓が染みついていた地域は犠牲者が少なかったという事実。東北地方の沿岸部はこれまでも何十年に一度、大きな津波の被害を受けており、その時の教訓が根付いている。
今回は、50年後、100年後の日本でこの教訓が生き続けるように活動している語り部・佐藤敏郎氏を中心に、彼と共に活動している若者や、各地の伝承施設を取材。伝え続けることの意味を、震災が起きた3月11日に改めて思い起こさせるスペシャルプログラムとなっている。
小さな命の意味を考える会 代表・佐藤敏郎
東日本大震災による津波被害で、全校児童108人中74人と、10名の教員が、死亡あるいは行方不明となった石巻市立大川小学校。
そこに通っていた娘を亡くし、自身は女川中の教師だった佐藤氏は、娘を亡くしたショックと、その原因となった教員の立場も分かる自分とのジレンマと闘いながら、児童たちの小さな命を無駄にしないために語り部となって震災遺構となった大川小学校はもちろん、全国各地で語り部として活動を続けている。
また、彼の教え子や語り部となって知り合った若者たちがその思いに賛同し、各地で語り部を続けている。