歌手のAdoが2月20日に2023年第1弾配信シングル「アタシは問題作」をリリースした。同作はボカロPのピノキオピーによって書き下ろされたもので、ミュージックビデオ(以下MV)はえいりな刃物が担当した。これを機に、Adoにリモートインタビューを開催。2022年の振り返りや楽曲への思いなどを語ってもらった。
Ado、ウタは「人生が変わるきっかけ」
――2022年振り返ってみていかがでしたでしょうか。
毎年毎年、濃密な一年を更新しているなと思っていますが、2022年は自分の人生において一番すごかったなと思います。
――2022年にはアルバムが出ましたが、そこからの反響もすごかったのではないでしょうか。
歌い手としてずっとアルバムを出したいという思いがあったのもあり、たくさんの方に1stアルバム「狂言」を聴いていただけたのはすごく嬉しかったですね。
――ほかにもウタの歌やライブの開催などもありましたがそちらはいかがでしたか?
やはり「ONE PIECE FILM RED」のウタの歌唱パートを担当させていただけたことも人生が変わるきっかけにもなったのかなと思いましたし、「ウタの歌」をすごくたくさんの方が愛してくださって、とても心から嬉しかったです。
また、ファーストライブが4月にあって、8月にセカンドライブを夢のさいたまスーパーアリーナでやって、12月からツアーがスタートしてという、ライブの年でもあったのかなと思います。初めて立つステージがほとんどで不安でしたが、足を運んでくださったファンの方々が「ライブって楽しいな」と思わせてくれたおかげでもっとライブもやっていきたいと思うようになりました。
新曲では「『そんなことないのにな』という本音を歌えた」
――新曲「アタシは問題作」どのような楽曲でしょうか。
楽曲はボカロPのピノキオピーさんに書き下ろしていただきました。ピノキオピーさんは私がボカロを追いかけてきて、たくさんのボカロPさんの曲を聴いてきた中の一人だったので、こうしてピノキオピーさんに曲を書き下ろしていただいたのは心から嬉しいですし、小学生の頃の自分に伝えに行ってあげたいくらい本当に光栄に思います。
――憧れのピノキオピーさんの楽曲を初めて聴いたときの気持ちはいかがでしょうか。
やっぱりピノキオピーさんは天才だなって思いました!(笑) 私の方から「こういう曲にしてください」というリクエストはしてなかったのですが、ピノキオピーさんはそれでも“Ado”を分かってくださっていて。本当に感激しましたね。
――この曲に込めた思いも聞かせていただけますか。
今回の「アタシは問題作」は皮肉的な楽曲だと思っています。Adoのイメージは「うっせぇわ」が強い人が多いと思うんです。もちろん応援してくださっているファンの皆さんは「もっとほかにもAdoにはこういうところがあるよ」とおっしゃっていただけると思います。でも、大体のイメージが「うっせぇわ」から根強いものがまだあると思っています。ですが、「うっせぇわ」のイメージと実際の私のイメージって結構真逆というか。「全然そんなことないのにな」って思っているのをピノキオピーさんがこの楽曲ですべてを書いてくださっていて。歌に込めた思いと言ったら“本音”というか。独り歩きしてしまったAdoの印象に「そんなことないんだけどな」とつぶやいているような…。そういったことを込められたと思っています。
――MVも素敵な作品になっていると伺っているのですがいかがでしょうか。
MVはえいりな刃物さんにお願いしました。えいりな刃物さんのMVも、いちファンとして見させていただいていました。えいりな刃物さんはピノキオピーさんの楽曲のMVをよく手掛けているのもあって、結構ユニークな表現だったり、アニメーションがすごく表情豊かだったり、「このクオリティをMVで」と思わせられるものを作られている方です。今回の「アタシは問題作」のMVは、楽曲に合わせてしっかり表現してくださいました。何事もうまくはいってないだろう不憫な社会人の主人公がいて、その子のちょっと可哀想な部分もたくさんあるけれど、可愛らしいMVになっています。
Universal Music
発売日: 2022/12/16