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コンプレックスが武器になる、“現代アートの異端児”が語るアートの世界 櫻坂46・藤吉夏鈴の作品を絶賛<最強の時間割>

2023/02/21 08:30

現代美術作家・加賀美健が「最強の時間割」に登場
現代美術作家・加賀美健が「最強の時間割」に登場(C)TVer

民放公式テレビ配信サービス・TVer初の完全オリジナル番組「最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜」が無料配信中だ。2月17日に配信開始となったLesson11では、現代美術作家の加賀美健が講師として登場。櫻坂46藤吉夏鈴が披露した即席アートを「優勝!」と大絶賛した。

コンプレックスも武器になる現代アートの世界


「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」は、さまざまなジャンルのトップランナーが特別授業を実施し、ラランドサーヤニシダ櫻坂46のメンバーをはじめとする各回ゲスト、そして学生ゲストが参加。トップランナーたちの授業がアーカイブされることで、TVerに「最強の時間割」が完成するというコンセプトの番組だ。2月17日より配信のLesson11には、現代美術作家の加賀美健が講師として登場した。

加賀美は服飾の専門学校を卒業後、スタイリスト・馬場圭介氏のアシスタントとして勤務。25歳の時に書いた代表作「ミルクマン」がアメリカのバンド「ディアフーフ」のアルバムジャケットに採用され、2004年にリリースされ、近年はアパレルブラントとのコラボ展開や国内外の美術展にも多数参加している。中でも注目されたのが、2015年にイギリスで行われたアートフェアでのパフォーマンスだ。加賀美は自分のブースに訪れた男女2000人の“性のシンボル”を想像で描くというアートで大きな話題を集め、以降“現代アートの異端児”として注目を浴びている。

サーヤもインスタグラムをフォローしているという加賀美が操る絵と言葉は、とにかくユーモアに溢れている。例えば、この日ニシダが着用した『実家帰れTシャツ』も加賀美の作品。どういう経緯で生まれた作品なのかを問われると、加賀美は「少年野球をやってて、エラーとかをすると『実家帰れ』という先輩がいたんですよ」と語る。その言葉が「なんだかよく分からないけど面白い」と感じたのがルーツで、作家になってからステッカーにしてノートや携帯に張っていたところ、「どこで手に入るんですか?」という多数の問い合わせを受けてお店で販売を始めたという。

そんな加賀美が作品づくりで意識しているのが、ユーモアやジョーク。例えば、「I DON’T UNDERSTAND ART(私はアートがわかりません)」と書かれたナップサックは、「これを背負って美術館に行く光景を見たい」という気持ちから生まれた作品だ。白地に「働きたくない」と書かれたシンプルなTシャツも、もし共働き夫婦の妻が着ていたら「本当は専業主婦がいいのかなって色々話が膨らむ」と加賀美は言う。答えがない現代アートの世界において、加賀美はそんな風に想像力を働かせてきた。

一方で、美術大学を出ていないことや、昔から字が下手なことがコンプレックスでもあったという加賀美。しかし、下手だと言われてきた字はいまや加賀美の独特な世界観を構成する一部となっているように、「コンプレックスだったり恥ずかしかったりすることがアートでは武器になる」と加賀美は語った。

『実家帰れ』『はたらきたくないTシャツ』などで話題の現代美術作家・加賀美健が講師として登場
『実家帰れ』『はたらきたくないTシャツ』などで話題の現代美術作家・加賀美健が講師として登場(C)TVer


ゴキブリの着ぐるみを購入、その理由は?


そもそも、美大卒ではない加賀美がどのようにアートの世界に参入したのか。元々は服飾の専門学校を卒業後、スタイリストのアシスタントを6年もの間勤めていた。しかし、その途中から自分には服飾が向いていないと思い始め、「自分の頭の中が100%出せる仕事がないのかな」と考えて浮かんだのが“アーティスト”だった。

即座に仕事を辞め、アーティスト活動をスタートさせるべく25歳で渡米。語学ビザを取得し2年間サンフランシスコで過ごした。加賀美は学校にも通わずに毎日街をブラブラし、サンフランシスコの至る所にあるリサイクルショップで買い物をしたり、道端に落ちているものを拾っては家に持ち帰る日々を送ったそうだ。大量に中古品とゴミを集め、それらを使って作品を作り始めたのが“原点”と語る。

しかしアートで食べられるようになったのは、加賀美が「世の中の1年がアート界の10年」と言うように30歳半ばになってから。現在はギャラリーに所属し、展覧会での作品販売やアパレルブランドとのコラボ、企業広告・コピーライト、2010年に東京・代官山にオープンさせたセレクトショップ「STRANGE STORE」からの収入で生活しているという。そんな加賀美の平均的な1日のスケジュールだが、夜11時から朝6時までは睡眠時間。サーヤに「めっちゃ健康的」と指摘されると、加賀美は「夜更かしすると口内炎ができちゃうから(笑)」と笑う。

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演するラランドのサーヤ
「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演するラランドのサーヤ(C)TVer


他にも加賀美が大事にしているのが、買い物の時間。作家としてインスピレーションを受けるため、また個人的なコレクションのためにも、メルカリなどのフリマアプリ内を日頃から物色しているという。そんな加賀美がブラジルで購入したのが、1万円の巨大サングラス。とにかく大きなものに惹かれるそうで、「小さいものがすごいって言われがちだけど、子供の頃からでかい方が絶対面白いのにと思ってた」と加賀美は語る。「でかかったら面白い」と思ったものは自分で作る時もあり、でかいタバコやでかい粗大ゴミ処理券も自作してコレクションに加えた。

最近、Amazonでゴキブリの着ぐるみを購入した加賀美。その理由は、この着ぐるみを着ているときに本物のゴキブリが出たら面白いと思ったから。そういう光景がパッと頭に浮かぶという。もちろん美術館でアートを見てインスピレーションを得ることもあるが、彼の場合は圧倒的に日常から衝撃を得ることが多いそうだ。

下に続きます
TVer「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」
くっつけてみよう
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加賀美 健 (著), VOILLD (編集)
ケンエレブックス
発売日: 2021/01/23
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  • 現代美術作家・加賀美健が「最強の時間割」に登場
  • 【写真】即席アート「くっつけてみよう」に挑戦した櫻坂46・藤吉夏鈴
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  • 「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演するラランドのサーヤとニシダ
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  • 「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演する櫻坂46・藤吉夏鈴
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