舞台とアニメ、それぞれの潔世一
──竹中さんと浦さんは同じ潔世一役を演じられていますが、お互いの印象はどのようなものですか?
竹中 いや、もう「潔だ!」ですよ(笑)。第一声から潔。あとはこのジャージ(アニメで潔たちが着用しているのと同デザインのジャージ)がいいなぁって。
浦 あはは(笑)。でも僕は皆さんのジャージもうらやましいなと思って見ていましたよ。みんなで同じジャージを着て一体感があって。僕も欲しい。あとでもらえませんかね?(笑)
竹中 いくらでも!(笑)
浦 いくらでも!?(笑) 竹中さんは、最初にお会いしたとき、本当に丁寧にご挨拶してくださって。アニメに対するリスペクト、原作に対するリスペクトをすごく感じました。同じ潔としてすごくうれしく思いました。
──そんなお二人に伺います。潔世一という人物を、言葉で表現するとしたらどのように表現しますか?
浦 難しいですね。でもやっぱり作品を象徴する言葉でもある“エゴイスト”ですかね。それこそ今日稽古で見させていただいた部分は、潔のエゴイストたる部分が出ているところで。めちゃくちゃカッコいいなと思いましたし、彼はまさにエゴイストだなと改めて思いました。
竹中 浦さんが言った通りです! エゴイスト。
──では、そんな潔を演じるにあたって意識していることはありますか?
竹中 原作やアニメからたくさん勉強させていただいて、なるべくそのキャラクターに沿って演じようとは思いつつも……やっぱり自分という人間が入ってきてしまうので、その良い塩梅を探りながらやっています。
浦 いや、まさに潔でしたよ。
竹中 いやいやいや! ありがとうございます。
浦 アニメ版と舞台版があると、役者が違うので出てくるものも違ってきて、全く同じものにはならない。そこがメディアミックスの面白いところだと思っていて。僕も原作に対するリスペクトは大切にしつつ、竹中さんと同じ気持ちで演じさせていただいています。
竹中「人生のヒントになるようなことが与えられたら」
──舞台「ブルーロック」の、舞台ならではの見どころや魅力を教えてください。
菊池 臨場感ですね。フィールドはないにしても、それぞれのキャラクターが右往左往しながら、ゴールに向かってがむしゃらに走っているところは魅力だと思います。
小坂 僕はマンガの「ブルーロック」を読んだときに、“黒い衝動”を感じたんです。キャラクターの表情がすごく個性的で、見ていると引き込まれて、実際に試合の中にいるような気分になる。その黒い感じに近いものが、舞台上でも出せたらいいなと思っています。
佐藤 それぞれのキャラクターがエゴい部分を出し合って1つのチームとして戦っていく話ですが、僕ら役者が全員エゴイストだとそれはそれで成り立たない。それを舞台でどう表現するか。舞台には、生身の人間が演じるからこその面白さが必ずあるはずなので、その原作の面白さと生身の人間がやる面白さが混ざり合って、また新たな面白さが出てくるんじゃないかなと思っています。
竹中 「ブルーロック」はただ面白いだけじゃなくて、ちゃんとメッセージもあります。舞台版でも、見た人の背中を押すとか、人生のヒントになるようなことが与えられたらと思っていますし、このままいけば、そういう舞台になると思いますので、このまま頑張っていきます。
松田 それぞれのキャラクターにドラマがあって、全員がピックアップされるところがすごく素敵な部分だなと思います。それを舞台で演じるからには、リアルな熱さみたいなものを見せられたらいいなと思っています。
佐伯 僕はサッカーをやっていたのですが、サッカー経験者が読んでも「ブルーロック」にはすごく共感できるところが多くて、「こんなプレーしたいな」と憧れるところもあって、夢中になって原作を読みました。舞台版ではエゴイストたちが集まりつつも、熱いチームワークでゴールに向かっていく姿を見ていただきたいなと思います。
浦 「ブルーロック」には、人間の根源たる欲求みたいなものが描かれていて。それをサッカーを通してぶつけられている感覚、彼らから熱い告白を受けているような気分で僕は原作を読んでいます。舞台版でもそういったメッセージを感じられるんじゃないかなと、稽古を見て思いました。
──「ブルーロック」ではキャラクターそれぞれのドラマも描かれますが、今作で「自分のここを見てほしい」というところはありますか?
菊池 俺は玲王と凪の関係性を少しでも見せられたらいいなと思っています。見どころとしては……玲王の見せ場は凪の見せ場だと思っているので、凪の見せ場を楽しんでいただけたらうれしいですし、そんな凪を支えられるような玲王を演じられたらと思っています。
小坂 じゃあ僕は(そんな玲王に)甘えさせてもらいます!
佐藤 蜂楽はオンとオフのギャップが一番激しいキャラクターだと感じていて。その切り替えをどうカッコよく見せるのか、突き詰めていきたいと思っています。
竹中 「ブルーロック」はそれぞれのキャラクターが成長する物語ですが、やっぱり軸は潔の成長物語なので、ちゃんと潔の成長する姿を描けるようにしたいなと思います。
松田 國神は正々堂々、まっすぐな男。自分の思ったことをしっかり突き通すところが魅力だと思うので、そこをしっかり見せていきたいと思っています。
佐伯 千切は今作で一番、挫折があってからの開花が大きく見えるキャラクターかなと思うので、そこに注目していただきたいです。
──浦さんは、今回の舞台化で楽しみなことは何でしょうか?
浦 みんながエゴくなったときの迫力が、舞台でどう演出されるのか。そこは見どころだと思うので、そこに注目してほしいです。
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