「ZIP!」(日本テレビ系)お天気コーナーに出演中の気象予報士・小林正寿。朝の天気予報を伝える爽やかな気象予報士として知られる一方で、「家に布団がない」「家に包丁がないのでネギを歯でかみちぎって料理する」などのエピソードがバラエティ番組で紹介され、“ミニマリスト気象予報士”としても知られる。なぜ、それほどまでに極端なミニマリスト生活をしているのか? 驚きの素顔を明かす初のエッセイ本『しゃもじがあれば箸はいらない』が5月1日(月)に発売されることを記念して、新連載がスタート!
自身は傘を持っていない
――いつも朝、「ZIP!」の天気予報見てます!
「ありがとうございます!気象予報士って、出演だけではなくてもちろん予報するのも仕事なので、実は夜中のうちからオンエアに備えて予報作業をしたり、番組内にお天気関連のニュースがあれば、その原稿をチェックする仕事なども行っているんですよ。」
――「ZIP!」の天気予報は、単にお天気を伝えるだけじゃなく以前は「俺の傘予報」というコーナーがあったり、服装のアドバイスがあるなど、生活に役立つ情報があり、分かりやすいです。
「そうなんです。色々なコーナーもあるし、僕自身、天気予報では生活的アドバイスもしなければいけないと思っているんです。昔はそういう天気予報は“おせっかい天気予報”と呼ばれて、よろしくないとされていたんですが、やっぱり朝の忙しい時間だからこそ『小林の天気予報を聞いておいてよかった、得した』と思ってほしいので。ただ、傘を持っていくかいないか、の話はちょっと気まずいですね。僕、傘持ってないんで。」
――え⁉ 気象予報士なのに傘を持っていないんですか?
「はい。なので傘の話は“もし僕が傘を持っていた場合、傘を持って外出するかどうか”ということで話します。」
――なんだかややこしいですね…。
「気象予報士なのに、というか気象予報士“だから”傘を持っていない、ですかね。」
――というのは…?
「自分で予報できるので必要ないんですよ。僕は毎日午前1時30分ごろに出勤するので自宅からタクシー移動ですし、番組終了後は電車で帰りますけど、雨が降っていたらやむまで待ちますし、雨雲レーダーでいつやむのかもすぐわかりますからね。」
――傘を持っていなくて困ったことはないですか? 家にいてコンビニやスーパーに行きたいときに雨が降っていたりとか?
「困るのは僕自身のことではなく傘がいるかどうかの予報をハズしたときですね。天気予報をハズして雨が降ったとき、僕の予報を見て傘を持って行かなかった人もいるはずです。それがすごく申し訳なくて。日テレ近くの新橋駅前で傘がなくて困っている人を見かけたら、コンビニで傘を何本か買って『よかったらどうぞ』と配ったりもしています。」
――見知らぬ人に傘を配る?
「はい。怖がられることもありますが、1本500円くらいするものだし、お得かなって。」
――相手は小林さんだと気づかないですか?
「名乗らずに渡しますから気づかれないですね。たまに、気づいていただくこともあります。『なにしてるんですか⁉』って(笑)。」
――「雨の日に現れる傘配り男」みたいな都市伝説になりそうですね…。
「天気をハズして自分が濡れるのはいいですけど、人が濡れるのは嫌なんです。予報をハズした日はずっとモヤモヤしていて、どっと疲れがでますし、毎日天気の予習、復習をして真剣に向き合って予報しているのに…!と、自分に対して不甲斐なさを感じます。一生懸命練習したのに試合で負けて涙を流す高校球児の心境ですね。」
気象予報士。1988年生まれ。2019年より日本テレビ系「ZIP!」にお天気キャスターとして出演中。天気予報のほか、バラエティ番組にも多数出演している。布団なし、カーテンなし、包丁なし、箸なし…という極端にモノのない生活や、ハンバーガーが主食という偏った食生活がバラエティ番組で取り上げられ、話題となる。中学生時代のあだ名は「デマ」(友達に教えた天気予報が外れたため)。いばらき大使、常陸大宮大使。水戸ホーリーホックオフィシャルウェザーサポーター。
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