コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、社会人カップルが抱える仕事と恋愛の両立の難しさを描いた漫画『記念日の山盛りエビフライ』をピックアップ。
作者である大場玲耶さんが3月13日にTwitterに本作を投稿したところ、7,700件を超える「いいね」が寄せられ反響を呼んでいる。本記事では、大場玲耶さんに作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
冷められるのは一瞬…ドタキャン続きの彼女に告げた彼の"話"が「胸キュン」
明日、交際4周年を迎える社会人カップルは記念日にデートに行く約束があった。しかし、彼女は仕事が忙しく前日にキャンセルの電話をしていた。彼氏は仕事との両立の難しさを理解してくれていると信じていたが、「冷めるのは一瞬だから気をつけなよ!」という同僚から忠告を聞いてからというもの、電話で言われた「ちょっと話あるんだよね…」の一言が引っかかっていた。
何を言われるのかが気になって仕事の効率も落ちていた彼女は、自分にできることをしようと半休をとってエビフライを作る準備をはじめた。家で食べるエビフライが好きな彼氏と「これから誕生日とか記念日はエビフライにしよう」と話していたからだ。
時間も手間もかかる手作りエビフライだったが、作っている間に彼を想う時間が減っていたこと、いつも心配してくれる彼に甘えっぱなしだったことに気付く。家に到着した彼と山盛りのエビフライを食べながら笑い合っていると、彼は"話"をはじめ…。
社会人カップルがお互いを気遣いあいながら仕事にも恋愛にも向き合おうとする様子が描かれた本作。Twitter上では、「幸せが過ぎる」「羨ましいなぁ」「胸キュンがとまらない」「心温まる」「彼氏イケメン過ぎるだろ…」「尊い」などのコメントが寄せられている。
「ごはんをきっかけに、今いる場所から気持ちが少しだけ前に進めるといいな」作者・大場玲耶へのインタビュー
――『記念日の山盛りエビフライ』のお話を描こうと思ったきっかけや理由があればお聞かせください。
当時担当して頂いていた編集さんがごはんものの雑誌に異動になり、お声掛け頂いたのがきっかけでした。私自身それまでごはんもの漫画は描いたことがなかったので、題材は単純に「自分が一番好きな食べ物で描くのが一番ノるだろう」という考えで山盛りのエビフライを選びました。
――社会人カップルがお互いを気遣い合う優しさが心に響く本作ですが、大場玲耶さんが本作に込めた思いやこだわったポイントなどがあればお聞かせください。
ただ食べるだけじゃなく作りながらその過程で、本編の言葉で言う「彼を想う時間」を思い出すというところがよかったと思っています。受動的に何かきっかけが降りかかってくるのではなく、自分で行動した結果思い出せたというのがこだわりポイントです。
――本作の中で、大場玲耶さんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
5Pラストの「こんな風に笑ってくれるなら」~7Pの「ひたすらそれに甘えてきたんだ」のシーンが好きです。
忙しくて余裕がない時って、本当にそればかりになってしまって周りが見えなくなることもあると思うんですが、そういう時こそ立ち止まって大切なことに気付けると良いな、と思って描きました。
当時の自分の気持ちが一番反映されています。
――大場玲耶さんは本作以外にもおいしいご飯とほのぼのした恋愛を組み合わせた作品を多く描かれているようにお見受けします。作品のテーマを考える際はどのようなところから着想を得ているのでしょうか
ごはんをきっかけに、今いる場所から気持ちが少しだけ前に進めるといいなというのが全体を通してのテーマなのかなと思います。感情を丁寧に描きたいという気持ちが大きいので、それぞれの主人公の悩みや気持ちを絶対に自分がわかっていなければいけないと思っていて、そういう意味では過去の自分の経験や理想から着想を得ているんだと思います。
――大場玲耶さんの作品を読んだ方からは「心温まる」「尊い」などの声が多く寄せられています。漫画全般を創作する時に意識していることなどがあればお聞かせください。
どのジャンルの漫画でもキャラクターの感情を丁寧に描写することを心がけています。ストーリーやセリフ、キャラの表情といった絵の情報でどれだけ感情を伝えられるか…そんなことを意識していますし、描いていて楽しいポイントですね。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
たくさんの作品がある中で、私の作品を読んでくださってありがとうございます!皆さんが読んでくださること、いただける反応が本当に大きな創作の活力になっています!これからも色んな漫画を描いていくので、ぜひ楽しみにしていてください!