コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“初めてゲーム実況配信を行った時のエピソード”が描かれた漫画『初めてのゲーム実況の初めての視聴者が「親」だった話』をピックアップ。
Twitterでのフォロワー数65万人を誇り、社畜、家族、厨二病などを題材にした作品で多くのファンから支持を集める漫画家・イラストレーターのやしろあずきさん。4月6日に投稿された本作は、3.4万件を超える「いいね」が押され、反響も多数寄せられた。本記事では有名漫画家のやしろあずきさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
母親の衝撃的なカミングアウト!
物語は、主人公のやしろあずきさんが学生時代にゲーム実況を試しにやってみた時のこと。恥ずかしさから誰にも始めたことを言わずに“昔作ったYouTubeアカウント”でこっそり配信したところ、そのチャンネル登録をしていた大学の友人に見つかってしまい、「お前いつの間にゲーム実況してたのwww」とコメントが寄せられる。
それを見て「知人に見られんのが一番キツイこれ」と思わず絶叫したやしろあずきさんは、今度は名前もアカウントも変えて実況することに。しかし当時誰にも認知されていなかったため、視聴者は皆無に近い状況だった…。
そんな中、何故か毎回1人だけ配信を見て「いつも遅くまで頑張ってて偉いですね 身体は壊さないように」「今日のゲームは初めて見ました。面白そうですね!もっと見たいです」などの温かいコメントをしてくれる視聴者が。
たった1人の優しい視聴者を“大切にしたい”という気持ちから、いつの間にかその視聴者とコメントで会話をする配信になっていたやしろあずきさん。それから数年後、母親に一連の出来事を話したところ、母親からは「それ母さん」と衝撃的なカミングアウトをされるのだった――。
タイトルでオチがわかっていたとしても、母親が真実を打ち明けるシーンに思わず笑いが込みあげてしまう本作。Twitter上では「思ってたよりも深い話だった。お母さんがすごく優しくてほっこりした」「普通にカミングアウトしちゃうのは面白い!」「優しさはありがたいけど、めちゃめちゃ恥ずかしくなるね(笑)」などのコメントが多数寄せられている。
物語のベースは全て実話
――「初めてのゲーム実況の初めての視聴者が『親』だった話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
母は昔から僕がやることに興味を持つタイプの人で、特にゲーム実況などの自分が知らないジャンルのことを息子が始めたことで、非常に気になって視聴者として登場したのだと思います。
まず“どうすれば見られるか”から勉強したと思うので、その辺りの行動力は尊敬できる部分であります。マジでボケなさそうだと思うので(笑)。
――本作では、ゲーム実況配信におけるリアルなエピソードや、お母様からの衝撃的なカミングアウトがとても印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
共感性羞恥を覚えることもできるような内容にもしてあります。この時代、誰もがゲーム実況に一度はチャレンジして、少ない視聴者の中で自分なりに楽しもうと画策した経験があるはずです。そういったなんとなく心の奥底がむず痒くなるような気持ちになった人は、僕の仲間です!
――本作の中で、やしろあずきさんが特に気に入っているシーンやセリフはありますか?理由と共にお教えください。
一番思い出に残ってる部分という理由からですが、“母の暴露のシーン”ですね。今思い出しても心臓が少し痛みます。
――やしろあずきさんの作品は、お母様とのやり取りが特に印象的で、どのようなテーマでもしっかりとオチがあって面白い印象を受けます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
単調な絵が続いてしまう場合も多いので、なるべく「親子」であることを念頭にセリフや気持ちの表現などを心がけるようにしています。勿論、実際にあった話をベースにしていても多少の脚色は漫画として必要なので、わかりやすく笑えるようにするにはどうすればいいか、を常に考えながら描いています!多分!
――やしろあずきさんの描く作品は、全てノンフィクション(実際に起きた出来事)を漫画にしているのでしょうか?
ベースは全て実話です!ただめちゃくちゃ脚色してます!「え?それ言って平気なの?」ってたまに言われますが、漫画なので(笑)。漫画だからできる表現やストーリーラインの取り方って無限にあるし、せっかく漫画なのでそれを活かして描かない手はないと思ってます!
――今後の展望や目標をお教えください。
自分が楽しく生きていくことを最優先に生きているので、今後も変わりません!楽しく生きていけて、ついでに周りが笑ってくれればそれ以上に嬉しいことはないので、引き続きSNSなどで作品を発表しつつお金を稼いでいければと思います!(笑)
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
皆様のおかげで僕があります。やしろあずきというのは、僕自身でもあり皆様で作り上げているコンテンツでもあります。どうか今後とも家族含めよろしくお願いいたします。