コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、"正しい"子育てが分からない父親の苦悩が描かれた画『息子への接し方に悩む父親のお話』をピックアップ。
作者である柏木大樹さんが4月9日に自身のTwitterに本作を投稿したところ、1.2万件以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んでいる。本記事では、柏木大樹さんに作品のこだわりや注目ポイントなどについてインタビューをおこなった。
過去と現在を重ね合わせた描写がリアルな本作
幼少期、親から辛い仕打ちをうけて育った男性は時が経ち、息子が産まれた。保育園に登園する前におもらしをしてしまった息子、過去の自分は親に「このグズ!」と罵られ手をあげられていた。そんなことを思い出しながらも父親が選んだ育て方は「大丈夫…こういうこともある」と落ち込む息子をなだめることだった。
息子がなにかをする度に過去の自分を思い出し、自分がされてきたこととは違う育て方をする父親。しかし、どんなに子育ての正解を考えても分からない。「正解が分かんないんだよな…」と悩む父親だったが…。
幼少期に受けた辛い過去を受け、父親としてできるだけ違った育て方をしたいと奮闘する姿を描いた本作。Twitter上では、「この息子はいい子に育つこと間違いなし」「まだ子供はいないけど、いたら自分の父親と同じことをしてしまうんじゃないかという不安がある」「負の連鎖がなくてよかった」「涙がと止まらん」などのコメントが寄せられている。
「日々のとりとめない発想を短編漫画に」作者・柏木大樹さんが語る創作のこだわり
――『息子への接し方に悩む父親のお話』のお話を描こうと思ったきっかけや理由があればお聞かせください。
2年前の作品なのであまり憶えていませんが、なんとなく「負の連鎖を断ち切る親の姿はかっこいいんじゃないか」と思って描いたような気がします。
――本作では、過去の自分と今育てている自分の子どもを重ね、自問自答する様子が印象的ですが、描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお聞かせください。
話の内容の割に6ページに収まっている点です。自分で改めて読んでみて「収納美人」と感じたほどです。
――本作の中で、柏木大樹さんが特に気に入っているシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
父親の言葉選びのぎこちなさ、手探り感は、短い文章でまあまあ出せたような気がします。
――柏木大樹さんの作品は、ありそうに見えてあまりない設定の中に人間らしさが感じられる作品が多くあるようにお見受けします。どのようところから着想を得ているのでしょうか?
もう、色んなところからです。小説だったり映画だったり落語だったり家族との会話だったり散歩の風景だったり、色んなところから着想を得ています。
肉屋の看板でニワトリが「おいしいよ!」って言ってたりすると「そのニワトリの葛藤を描く漫画とかどうだろう」と思ったり、日々のとりとめのない発想から作っているので、短編漫画という形が性に合っていると思っています。
――柏木大樹さんが漫画創作全般において、作画の際にこだわっていることや意識していることがあればお聞かせください。
なんといっても短くまとめることです。なるべく短くすることで無駄を削ぎつつ、シーンを減らした分、作画も楽になる、ということを意識しています。
あとは背伸びしないことですね。世界一面白い漫画を描こうとか大傑作を描こうとかは考えてません。できないので。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
拙作をお読みいただきありがとうございます。毎月2本、定期的に短編漫画を描いてますので、Twitterやpixivをフォローして頂ければ嬉しいです。過去作もpixivとFANBOXで読めますので、よかったらどうぞ。