閉じる

池松壮亮、柄本佑・森山未來と『シン・仮面ライダー』を語る座談会映像が解禁「3人はこれ以上ないメンバー」

2023/05/01 19:00

映画「シン・仮面ライダー」でライダーを演じた森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)
映画「シン・仮面ライダー」でライダーを演じた森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

森山未來「庵野さんから2011年版の『髑髏城の七人』が印象に残っていると話をされました」


――役と演じ手が結びついているという点でいうと、過去の経験が生きてきた瞬間などはありましたか?

池松:全ての過去の経験が自覚的無自覚的両方の面で今の思考につながっていますが、緑川博士役の塚本晋也さんが監督された「斬、」を庵野さんが観ていて、その話を最初にしました。

僕は庵野さんと塚本さんが作るものにそもそも通じるものがあると感じていますが、「斬、」の主人公は物すごく強いけれど、人を斬りたくない浪人の役でした。なぜ人を斬らなければいけないのか、という時代劇を通した反戦映画です。対して本郷は、優しすぎる殺りく兵器のような人物であり、両者に通ずるものを感じました。

森山:そうなんだ。塚本さんは「鉄男」から同様のテーマを描き続けているのか。

池松:そうなんです。しかも塚本さんと庵野さんって同い年なんですよ。同世代性と共に、互いに反射しあっている部分があるんだろうなと思っています。

柄本:「生きてきた」ということでいうと、いつもゼロから構築していくから過去の経験は何も生きてこないのですが、石井隆監督の「GONIN」と自分の中で結びつく瞬間はありました。

自分の撮影初日が結構長めのモノローグシーンだったんです。橋の上から「一人で行ったか、本郷」と見守り、マフラーを見て「お嬢さんの命の代償か」とつぶやいてバイクに乗って去っていくのですが、完全に1人でモノローグ的に喋っていて。

そこが、「GONIN」で佐藤浩市さんが根津甚八さんを銀行強盗に誘い、根津さんがいなくなった後も雨の中で延々と計画の説明をしているシーンにちょっと似ているなと思いました。

森山:僕は、庵野さんと最初にお話しさせていただいたときに2011年版の「髑髏城の七人」が印象に残っているという話をされましたね。

柄本:庵野さんが劇場に観に来られていたんですか?

森山:そうみたい。イチロー役に決まった後も「そういうことをやってほしい」という話は出ていなかったし自分もそのつもりはなかったんだけど、いま思えばその話がちょっと生きていたと言える部分もあるかなと思います。

劇団☆新感線はみんなでチャンバラしたりアニメ的な動きをしたりといったにぎやかな劇団ですが、天魔王を演じるにあたってもうちょっとシリアスな形でやれないかなと考えているときがありました。

紆余(うよ)曲折あって結果的にエネルギッシュに突き抜ける形になり、それはそれでよかったのですが、あのときにやってみたかったことを、イチローを演じるうえで考えてみてもいいのかな? という側面はあったかもしれません。

池松壮亮「仮面ライダーとは変身にまつわる物語で、変身とは人類が繰り返してきたこと」


――「シン・仮面ライダー」は「善悪」「ヒーロー」「幸福論」「絶望」「エネルギー」「暴力」といったさまざまなテーマが内包された作品です。本作を経て、皆さんが考えを深めたものはありますか?

森山:舞台あいさつの場で庵野さんが「日本の実写作品をテコ入れしたい」とおっしゃっていて、それを「仮面ライダー」というコンテンツで考えたときに、「シン・仮面ライダー」はその一歩なのかなと思いました。

たとえばバットマンは昔から子どもたちが憧れるヒーローで、それがどんどん擦られ続けて時制が変わり「ジョーカー」のように敵の目線で描いたり、「ダークナイト」のようにバットマンが苦悩する存在として描かれるようになったり、色々と表現が派生してきました。

それに対して「仮面ライダー」はどうだったかというと、もちろんテレビシリーズやそこからの映画化はずっと続いてきましたが、今回描こうとしたような「仮面ライダーがSHOCKERとして生み出された」という仮面ライダーが持つ苦悩というか、ある根幹みたいなものにはそこまで触れてこなかったんじゃないですかね。

「シン・仮面ライダー」は原点回帰ともいえるし、この時代にアップデートしたという意味でもすごく良い試みだったのではないかと思います。

池松:子ども向けのヒーローものという皮をかぶりながら、人間の普遍的なところにアプローチしていて、人間の真実に触っている。本当に見事な物語だなと改めて思いましたし、今回の仮面ライダーはさまざまな可能性があるなかで取捨選択してこういう形になったわけですが、仮面ライダーというキャラクターだけでなく、登場人物みんなが変化していきます。

仮面ライダーとは変身にまつわる物語で、変身とは人類が繰り返してきたことでもあります。大きな変化の時が訪れているこの時代に、さまざまな困難に対してあらゆる挑戦を克服し、どう乗り越えて変身していくのか。「仮面ライダー」から「シン・仮面ライダー」へ、さらに現代性を獲得して普遍的なところに行くというのは、まさにあるべき継承だと思います。

柄本:オリジナルがあるものを現代で映画でやる際、焼き直しでは意味がない。庵野さんが「仮面ライダー」をやる際に僕がいいなと思ったのは、SHOCKERの描き方です。彼らは彼らで幸せを求めて探求した結果だから根っからの悪者じゃないというか、その人の持つ正義によって取捨選択されてみんな生きているという部分がすごくふに落ちました。

極端な話、目の前のペットボトルを取るか取らないかもその人の正義によるものだと思うんです。取るも取らないも、その人の選択であり正義。そういった部分を仮面ライダーだけでなくSHOCKERにも持たせたことが、現代性に通じているのかなと思います。

下に続きます
シン・仮面ライダー 音楽集
シン・仮面ライダー 音楽集
岩崎 琢 (アーティスト)
キングレコード
発売日: 2023/04/12
仮面ライダー(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)
仮面ライダー(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)
石ノ森章太郎 (著)
講談社
発売日: 2014/04/25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

画像一覧
5

  • 映画「シン・仮面ライダー」でライダーを演じた森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)
  • 森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)
  • 森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)
  • 森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)
  • 森山未來・池松壮亮・柄本佑(左から)

関連人物

  • 池松壮亮

    池松壮亮

  • 浜辺美波

    浜辺美波

  • 柄本佑

    柄本佑

  • No Image

    森山未來

  • No Image

    石ノ森章太郎

  • No Image

    庵野秀明

  • 第121回ザテレビジョンドラマアカデミー賞

    投票〆切は10/4!第121回ザテレビジョンドラマアカデミー賞

  • 「ザテレビジョン」からのプレゼント!

    「ザテレビジョン」からのプレゼント!

  • コミック試し読みまとめ

    話題の作品がいっぱい!コミック試し読みまとめ

  • 推したい!フレッシュFACE

    推したい!フレッシュFACE

  • 【秋ドラマ】2024年10月期の新ドラマまとめ一覧

    随時更新中!【秋ドラマ】2024年10月期の新ドラマまとめ一覧

  • 【夏ドラマ】2024年7月期の新ドラマまとめ一覧

    随時更新中!【夏ドラマ】2024年7月期の新ドラマまとめ一覧

もっと見る