突然ですが、「江南スタイル」を覚えていらっしゃいますか?「もちろん!」と懐かしい気分になった方は、ついつい親近感を覚えてしまう。パフォーマンスを行ったのは、韓国が世界に誇るエンターテイナーであるPSY(サイ)。K-POPアーティストとして初めてアメリカ・ビルボードのメインチャートで2位を獲得し、BTSやBLACKPINKが世界的に躍進するための道を拓いたともいわれる楽曲だ。あのワイルドでセクシーで華やかなダンス、キレのあるラップは2012年の世の中を確実に明るく照らしてくれた。そのPSYの最新コンサートフィルム「PSY SUMMER SWAG 2022」が、このほど配信されたのだ。「今さらPSYを見たところで…」と思ったら大間違い。ゴールデンウイークも終わってしまって気分が晴れないという人には特に、ハジけるための特効薬になるはずだ。(以下、ネタバレを含みます)
「江南スタイル」の世界的ヒットから11年
「江南スタイル」から11年を経た今、PSYはひょっとしたら当時より若返っているんじゃないかと思えるほどの精気をみなぎらせ、バリバリの現役アーティストとして歌い、踊り、呼び掛ける。2011年から始まった「PSY SUMMER SWAG」は、別名“びしょびしょショー”(水フェス)とも呼ばれ、観客席に水がビュンビュン飛ぶ。1公演あたりに使用される水の量は300トンにもなるそうで、ファンはそれはもうびしょ濡れだ。
真夏の太陽が照り付けるスタジアムで、PSYの音をかぶり、水を浴びれば、そこは非日常の世界。PSYの精悍な表情、観客へのオリジナリティーあふれる煽り(「盛り上がる準備、できてますか〜」みたいな意味不明なことは言わない)、ダンサーと驚異的な息の合いっぷり、驚くほど華麗な空中からのアングルなど、見どころは尽きない。個人的には伝説的なアメリカ人シンガー、ジェームズ・ブラウンのライブ・パフォーマンスの定番アクション(バンドの音が一音、二音、三音…と増えていくごとにキメキメの振りをつける)を取り入れているところにも目を見張った。
PSYはみんなのアイドル
PSYはアメリカ・ボストンのバークリー音楽大学で学んだらしいので、いわゆる“洋楽”もごく身近なものとしてあるのだろう。あと、観客の表情が生き生きしていて実にいい。どこを見ても笑顔、笑顔、笑顔。楽しそうに聴き入る恋人たち、肩を組んで盛り上がる友人たち。PSYはみんなのアイドルなのだ。このライブ空間、たとえ1人で会場に向かったとしても、エンディングの頃にはみんなと打ち解けて仲間になれるのではないか、そんな気さえ抱かせる。
字幕がついているから、PSYが韓国のスタジアムを埋め尽くす大観衆にどんなメッセージを伝えているのかも分かる。オープニングの歌詞は、こうだ。“他人の餅はデカく、他人の女はキレイに見える”。日本なら「隣の芝生は青い」などというような概念を、彼は餅に例えて熱唱する。季節は真夏なのに、だ。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/psy-summer-swag-2022/
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