9年間のシリーズ最終章といわれる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」が5月3日に劇場公開された。同作では、銀河を救ってきた落ちこぼれのヒーローチーム“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”と、銀河を完璧な世界に作り変えようとする恐るべき“最凶の敵”であるハイ・エボリューショナリーのバトルを描いている。その作品で、アライグマのロケット(CV:ブラッドリー・クーパー)の日本版声優をシリーズ第1弾から担当しているのが、お笑い芸人の極楽とんぼ・加藤浩次だ。
“めちゃイケ”での狂犬ぶりが人気に
今やMC、俳優など多岐に渡る活躍ぶりを見せる加藤だが、ミレニアル世代にとって加藤といえば、「めちゃ2イケてるッ!」(1996~2018年、フジテレビ系)での“暴れん坊芸人”の印象が強いのではないだろうか。共演者に暴言を吐き、旬の女性アイドルをぶん投げ、ジャイアントスイングをかますなど、“狂犬”の異名にふさわしい暴れっぷりを見せていた加藤だが、2001年から放送が始まった「スーパーサッカー」(TBS系)を皮切りに、朝の情報番組「スッキリ」(2006年~2023年、日本テレビ系)など、情報番組の進行もそつなくこなし、司会としての能力の高さを発揮。今ではあの頃の“狂犬”からは想像もできない柔らかい笑顔を見せることも多くなったが、その一方で加藤の芯の強さがにじみ出るコメントや、白黒はっきりさせる歯に衣着せぬ物言いがさまざまな層の視聴者の心をつかんでいった。
そんな加藤は、2000年に「オヤジぃ。」で連続ドラマに初出演し、“俳優デビュー”を飾った。その後も「クロサギ」(2006年)や「ブラックペアン」(2018年、以上全てTBS系)といった話題作に出演するなど、俳優としての評価も上げていく。
銀河一凶暴な毒舌アライグマのロケットとの出会い
そして2014年にはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)第10作となる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の日本版吹替版キャストに大抜てきされた。加藤が演じるのは、ハイテクマシンを操る戦術の天才、見た目は小柄でかわいらしいが、銀河一凶暴な毒舌アライグマのロケット役だ。このロケットが“狂犬”時代の加藤を彷彿とさせるキャラクターだと話題に。
加藤自身も「(作品が始まった)9年前はまだ僕も“狂犬”みたいなものが残っていたので、“凶暴なアライグマ”役をノリノリでやらせていただいてました」とコメントしている。ロケットが浮かべるニヤリ顔が、加藤がたまに見せる、“してやったり感”あふれる表情とふと重なる瞬間があるのも私だけではないだろう。
以前、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017年)の公開時に当メディアが行ったインタビューでは「ロケットがなんでこうなったのかっていうことを知りたいですね」と語っていた加藤。その願い通り、今作はロケットがなぜあんなにも凶暴になってしまったのか、どうしてメカに強いのか…といった謎にも迫るストーリーになっている。
今作のアフレコ前、加藤は「9年たつと“狂犬”感もずいぶん薄れているんですよね」と自虐しつつも「今回ラストですから、心の底に沈んでいる狂犬をもう一回呼び戻して、アフレコしたいと思ってます!それくらいロケットに思い入れもあるので、内に秘めた狂犬をさく裂してやろうと思ってます!」と吠えていた。
先日行われた今作の大壮行会イベントでも、山寺宏一への“離婚いじり”、秋元才加には“ド派手衣装いじり”をするなどして“かみつき”、狂犬の片鱗を見せていたが、「スッキリ」のMCを17年間も務め上げ、声優にとどまらずドラマや司会業などマルチで活躍し続ける加藤が、今作をきっかけに自身の中で眠る“狂犬”をもう一度完全に呼び覚まし、暴れ倒す姿が見られるのか…。“当たり前じゃない”とは思いつつ、期待してみたい。
なお、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」は劇場公開中。過去シリーズはディズニープラスで配信されている。
◆文=neneko
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/guardians-of-the-galaxy
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