コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“女性大生の人生”を奇想天外な展開で描いた漫画『大学生の恋愛に疲れた女子が、新しい出会いを通して変わる話』をピックアップ。
本作を手掛けたのは、現在コミックアプリ「マンガワン」で『遥かなるマナーバトル』を連載中の漫画家・たむらゲンさん。学生時代の友人と共に描いた本作を2023月4月28日にTwitterで投稿したところ、9.6万件の「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではたむらゲンさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
突然のシチュエーションに“こんなの初めて…”と動揺する花
主人公の大学3年生・花は、苦手な宅飲みに参加していた。“大学生なんてこんなもんか”と俯瞰しつつ、宅飲みに参加している坂本を見て、まだ“告白の返事”をしていなかったことを思い出す。
実は以前坂本と大人の関係を持ち、ベッドの上で「好き!付き合って!」と告白されていた花。その際に“彼女欲しいだけかな この前みさきにも告ってたし”と感じた花は、「ありがと 少し考えさせて」と答えをはぐらかしていたのだった――。
当時の出来事を振り返った後、花は“酒の買い出し”を理由に散歩をしようと宅飲みから抜け出そうとする。すると、とある参加者が「花ちゃん1人で行かせられん!!男子全員じゃんけんするぞー!!」と言い出し、1学年後輩の辻君と一緒に買い出しをすることに。
クールでイケメンの辻君に対して“ちょっととっつきにくい”という印象を持っていた花だったが、お互いに同じバンドが好きということがわかり一気に距離が縮まる。その後突然辻君からは「そういえば坂本先輩に告られたんですか?」と質問が飛んでくるのだった。
どうやら坂本本人から聞いたようで、「なんて告られたんですか」といった質問も立て続けにしてくる辻君。花は「ふつーに。好き、付き合ってって」とそのままの言葉を伝えると、ふいに辻君は花に近づいて「すき つきあって。…こんな感じ?」と告白のようなマネをしてくるのだった。
まっすぐな目で言ってきた辻君に対して、花は“何?この気持ち”“こんなの初めて…”と胸のトキメキをおぼえる。そしてキスをしてこようとする辻君に動揺を隠せずにいる中、花と辻君の前には突如として意外なキャラが出現。そのキャラが現れたことで、物語の展開は急展開を迎えるのだった――。
ドキドキするような恋愛シーンから、全く予想だにできない展開が繰り広げられる本作。最後まで読んだ読者からは、「展開がカオスすぎてめちゃくちゃ笑った」「良い意味で謎展開すぎてドハマりした」「終盤の展開が予想外すぎて驚きが隠せない(笑)」などのコメントが相次いでいる。
※辻君の「辻」はシンニョウの点1つ
たむらゲンさん「『とにかく手に取った人をびっくりさせてやろう』という気持ちを込めました」
――『大学生の恋愛に疲れた女子が、新しい出会いを通して変わる話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
学生時代の友人と、昔のようにリレー漫画を描こうという話をしたのがきっかけです。その後、コミティアというイベントで頒布することを目標に、この作品を二人で描きました。
――本作では、ドキドキするような恋愛シーンから急展開でテイストがシフトチェンジする点が印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
個人的には、映画の「花束みたいな恋をした」と「アウトレイジ」を続けて見てしまったみたいな感じにしたいと考えて制作に臨みました。また、前半の部分に説得力がなければ面白くないので、そこは相方としっかりと話し合った上で取り組みました。前半も後半も真面目に作っています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「自分を定義するな」というフレーズが気に入っています。それは“前向きに生きていきたい”と常々思っているからです。
――恋愛シーンやバトルシーンなど様々なジャンルが盛り込まれた本作ですが、どのようなテーマをイメージして創作したのでしょうか?
コミティアで頒布した作品なので、「とにかく手に取った人をびっくりさせてやろう」という気持ちを込めました。また、自分と相方が描いていて楽しいように作りました。「一生懸命悪ふざけをしよう」みたいな感じです。でも、前半にも後半にもポジティブなメッセージなどは込めました。
――たむらゲンさんの作品は、独特の世界観で他に類を見ないオリジナル性を感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
なるべく読みやすいように描いていて、視線誘導を意識したコマ割を心掛けています。また、今回はケレン味のあるアクションを描いてみたかったので、荒っぽく勢いがある線を意識しました。表情も、強い意志を感じられるように描きました。
前半も少しラフなタッチで描いているのが、情感を生んでよかったと感じます。女の子も男の子もいい塩梅で可愛いですし。
――今後の展望や目標をお教えください。
現在、マンガワンで連載中の「遥かなるマナーバトル」が各メディアで展開されることです。そのためにも単行本が売れたり、お気に入り数が増えてもらわないと困るのだ!買え!!!読め!!!!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画で糊口をしのげる限りは、こんな感じのものをたくさん作るのでよろしくお願いします。