「ゆとりですがなにか」続編で岡田将生と松坂桃李が殴り合い!?
2016年に放送された連続ドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)が7月2日(日)と9日(日)に、2週連続のスペシャルドラマとして復活。脚本を手掛けた宮藤官九郎と主人公・正和役の岡田将生も1年ぶりに再会。「2人で取材を受けるのは初めて」という緊張ぎみの岡田と、岡田の「あたふたしているときの表現が好き」という宮藤にドラマの見どころを聞いた。
ゆとり世代を応援する人だと思われちゃっているみたい(宮藤)
岡田「連続ドラマのときに反響があって、たくさんの人に見てもらえたのを肌で感じていました。僕自身、ゆとり世代ですが、『ゆとりだから』とひとつにくくられるのは、ちょっと違うぞという思いがあって、正和に共感するところも多かったですね」
宮藤「僕はいろんな現場で会った人から『ゆとりなんですよ』と自己紹介されることが増えました。何だか、ゆとり世代を応援する人だと思われちゃっているみたいで(笑)」
岡田「連ドラの打ち上げのとき、宮藤さんに『続編を絶対に書いてください』とお願いしたんですよね。その後も桃李君たちとは連絡を取っていたので、今回みんなと現場で再会できたのは、うれしかったです。でも、実はこうして宮藤さんと2人で取材を受けるのは初めてなので、とても緊張しています」
宮藤「続編が動きだしたのは昨年の秋。その時点では構想ゼロだったけれど、正和たち3人が再会し『気が付いたら1年会ってなかったね』と言うぐらいが、ちょうどいいかなと思った。正和は会社を辞めちゃったし、茜ちゃん(安藤サクラ)と結婚し現実的な方向に行くだろうと…。岡田くんのあたふたしているときの表現が好きで、今回のスペシャルも、正和にあたふたしていてほしいと思って続きを書きました」
岡田「光栄です(笑)。確かにずっとあたふたしていたし、今回も妻の茜ちゃん(安藤サクラ)がある秘密を抱えているんですが、正和だけが気付かない。僕自身だったら絶対に気付くと思うんだけど…」
宮藤「僕もそこは悩んだけれど、気付かないのが正和らしい(笑)」
岡田「正和は、実家の造り酒屋の土地が売れそうになって、そのことで頭がいっぱいなんですよね。でも、連ドラのラストで、正和は会社を辞めて酒造りをすることを宣言したので、1年後も家業を続けてくれていてうれしかったです」
山路役の桃李くんと子供の言い合いみたいになっちゃって(笑)(岡田)
ドラマは、正和と山路(松坂桃李)、まりぶ(柳楽優弥)の3人が、なじみの居酒屋で1年ぶりに再会を果たすところからスタート。山路から「(妻の)茜を気遣え」と言われた正和は逆ギレ。小学校教諭の山路に「一度も社会に出たことないやつに言われたくない」と叫ぶ。
宮藤「これは水田伸生監督と話していて出てきたセリフ。よく考えたら、学校の先生って大学卒業後、また学校に通うわけで、実社会に出ていないともいえる。子供の担任が30歳手前の若者だったりすると、複雑な気持ちになりますよね。そんな矛盾を、正和に言ってほしかった」
岡田「きつい言葉だけれど、本当に伝えたいことだったら、居酒屋では言わないだろうし、お酒の勢いで言わなくていいことを言っちゃったという感じで演じました。現場ではもう山路役の桃李くんと子供の言い合いみたいになっちゃって(笑)。居酒屋の階段で殴り合いになるので、桃李君は階段から落ちて体が痛かったはず…」
宮藤「2人が狭い場所でケンカすると面白いと思ったんですよね。思ったこと全部言っちゃった、という感じですよね。正和っていい意味で深みがない、だから重い言葉も重くならないのがいい」
ショックを受けたのか、山路は失踪。地元の福島に帰り、中学時代の憧れだった久美(蒼井優)と再会し、ややこしいことに。
宮藤「今回のスペシャルで変わるとしたら山路かなと。山路がおかしくなって、正和とまりぶが追い掛ける展開にしたかったんです」
岡田「実は連ドラでは柳楽くんと2人の場面がほとんどなかったので、新鮮でした。でも、それ以外は連ドラのときと変わらない感覚で、特別感がなかったのがかえって良かったんだと思います」
宮藤「続編が1年後で本当に良かったですよ。僕のパソコンもまだ忘れていなかった。『やまじ』と打てば『山路』と変換されて(笑)。この3人の話はこれからも“定点観測”していきたいなと思います」
くどう・かんくろう=1970年7月19日生まれ。脚本家のほか、監督、俳優、ミュージシャンとしても活躍。ギターを担当するグループ魂の最新DVD/BD&LIVE CDが7月5日(水)に発売
ゆとりですがなにか
純米吟醸純情編 前編・後編
7月2日(日)、9日(日)
夜10:30-11:25 日本テレビ系で放送
演出=水田伸生/脚本=宮藤官九郎/出演=岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥、安藤サクラほか