森下紫温と加藤大悟のW主演による映画「タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。」が5月27日(土)に公開される。本作は発売から31年経ち、シリーズ累計500万部を超える大人気BL小説の映画化。2007年に初めて映画化されて熱狂的なファンを生み出した学園BL小説の金字塔が新シリーズとして、このたび実写化された。名門の全寮制男子校、祠堂学院に通う内向的なタクミと、ハイスペックなギイが出会って恋に落ちる姿が描かれている。この作品でタクミ役の森下とギイを演じる加藤に、抜擢された喜びや作品への思いを語ってもらった。
「初めて会ったときに『あ、この子がタクミだな』って思った(加藤大悟)
——まず、本作に出演が決まった時の感想を教えてください。
加藤:伝説的な存在の作品に抜擢してもらったうえに、初映画で初主演で本当に嬉しかったです。不安もあったけど、それよりも座長として何ができるかと気持ちが高揚するほうが大きかったです。
森下:僕はオーディションで、決まった瞬間は嬉しかったんですが、撮影が近づくに連れて不安が大きくなりました。まだ僕は事務所に所属して半年ほどで、初めての仕事がこの作品だったので、プレッシャーが半端なかったです。オーディション会場では、すでにギイ役に決まっていた大悟くんと読み合わせしたんですが、すごく緊張しました。
加藤:ガチガチに緊張してたよね。でも、僕は会場で初めて会ったときに、「あ、この子だ。この子がタクミだな」って思ったんですよね。だから決まったときは「やっぱり」って思って嬉しかったです。性格的にも紫温ちゃんはタクミに似ている部分があると思う。
森下:僕も大悟君って「ギイだ」って思います。ハキハキ明るくてみんなの中心にいるところとかとくに。そういう人だからギイ役ができるんだと思います。大悟君は自分ではギイとは真逆だって言うけど。
加藤:だってこんなギイみたいな人、完璧過ぎて実際にはいないと思うよ。でも、だからこそ見る方に楽しんでもらえるんだと思うし、やりがいがある役だと思います。ギイみたいな人間には憧れるし、嫉妬してしまうぐらい素敵だけど、嫉妬っていうネガティブな感情さえ人に抱かせない人の良さがある。それがギイっていう人間だと思う。
モノマネではなく、生身の人間として表現するということ
——森下さんは自分とタクミと共通点があると思いますか?
森下:性格でいうと大悟くんが言うように似ていますね。僕も内気で友達が多いタイプじゃなくて、タクミみたいに自問自答したりするんですよ。原作を読んで共感することがとても多かったです。演じていても違和感なくて、スッと入っていけて。初めてのお芝居でタクミ役をやらせてもらったのは運が良かったと思うし、ありがたいですね。
——加藤さんも原作を読まれましたか?
加藤:一度読みましたが、敢えて何度も読み込んだりはしませんでした。僕は2.5次元の舞台に出演するときもそうなんですが、原作のある役を演じるというのはモノマネではなく、生身の人間として表現することだと思っています。ただ、読み込み過ぎるとイメージが強くなりすぎて、どうしてもついモノマネしようとしてしまうんですよね。でも、モノマネを見るのだったら原作を読めばいいわけですから、実写化するなら映画としての別の楽しさを提供しなくちゃいけないと思ってます。
——役作りとして何かされたことはありますか?
加藤:紫温ちゃんをうちに呼びました。台本を読み合わせして、ごはん食べて、他愛無い話をしたりして、そして一緒に撮影現場に行って…という過ごし方をしました。台本の読み合わせが第一目的だったんですけど、行動をともにして結束感が生まれて良かったです。
森下:僕も感じました。年齢の近い共演者の方が多いので、チームとしての一体感もありました。僕は年齢もキャリアも下なので、撮影現場では面倒見のいいお兄ちゃんたちに囲まれて過ごせたっていう感じです(笑)。
——また、加藤さんは主題歌も担当されていますよね。
加藤:はい、初めて作詞して、ソロアーティストとして発表した楽曲が主題歌の「0%」(読み:ゼロ)なんです。可能性が0%という内容で切なくて苦しい気持ちを歌いましたが、ゼロからのスタートとしてポジティブに捉えて聞いてもらうこともできると思います。僕が以前作った楽曲なんですが、偶然、恋愛観が本作の世界にも合っていて主題歌にしてもらうことができました。
森下:前に書いていた曲が「タクミくんシリーズ」の世界観にリンクしてただなんて、すごくないですか?やっぱり大悟くんは“持ってるなー!”って思いました。
加藤:歌は一番力を入れたい仕事なので嬉しいです。高校生のときに消防士になりたいと思っていたけれど、その裏で親にも誰にも話してない夢として歌手になりたいと思っていました。
——目標とする人物はいますか?
加藤:Nissy(西島隆弘)さんです。中学生のときからモノマネしたり、ライブに行ったりしていました。
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