「元天才子役」に悩んだ過去も…今は「パブリックイメージも武器に」
──俳優という1つのピースとして作品作りをするのが楽しいということですが、須賀さんの俳優としてのお話も聞かせてください。須賀さんは幼少期からずっと第一線で俳優として活躍されていますが、子供から少年、青年、大人…と変化していく中で、ご自身のパブリックイメージについてどのように感じられていますか?パブリックイメージがあるからこその難しさや、面白さについて教えてください。
(難しさと面白さ)どっちの面もあるかなと思っていて。ありがたいことに「○○見てたよ」と言ってもらうこともすごく多いですし、親しみやすさみたいなものを感じていただけているのはありがたい。知っているスタッフさんが多いというのも強みになります。ただ、特に高校生ぐらいの頃は「今の自分が見られていないな」と悩んだことも少なからずありましたね。「かわいいって言われたくない」と思ったり、今も役者をやっているのに「元天才子役」と紹介されてグサッと刺さることもありました。でも今は、どう見られるかは割とどうでもよくなってきたというか。僕自身がどうであれ、その役なり作品なりが評価されればいいのかなと思うようになって。そのためにはパブリックイメージも武器にして、役者をやれたらいいなと思っています。
──「どう見られるかはどうでもよくなってきた」と思ったきっかけは、何かあるのでしょうか?
特定の作品というわけではないですけど、ゲストで犯人役のお話が来るようになったことですね。それって、ある種犯人に見えないからその役のお話をいただくわけで。その意外性も武器になるんだなと気付いたときに、このパブリックイメージも悪いものではないなと思いました。
──俳優として活躍する一方で、今年は初めての演出も手がける須賀さんですが、今年で29歳。30代が近付いてきていますが、ご自身として今後の展望はどのように考えていますか?
「こういう作品に出たい」とか「こういう役をやりたい」という理想があるというよりかは、役者を続けていければいいなと思っていて。俳優って、言ってしまえば明日何をしているかもわからないような仕事じゃないですか。だから10年後も、20年後も続けていられることがベスト。その中でなるべくいい作品を残していきたいと思っています。なので「30歳になってどう」ということもないですけど、「30歳からが楽しい」みたいな話はよく聞くので、そういう意味ではワクワクしていますね。
■取材・文/小林千絵
撮影/入江達也