2023年3月に開催された「第95回アカデミー賞」は、変革期を感じさせるものでもあった。中国系アメリカ人の主婦を主人公にした「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(通称:エブエブ)が作品賞をはじめ7部門を受賞したのだ。中でも話題になったのが、アジア系として史上初の主演女優賞に輝いたミシェル・ヨー。その勢いは止まらず、本日5月24日(水)から彼女がメインキャストの一人を務める新作「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」の配信がスタートする。そんな彼女のこれまでをひもとく。(以下、出演作のネタバレを含みます)
世界中の女性たちにエールを送ったアカデミー賞のスピーチ
アカデミー賞の授賞式で、ミシェル・ヨーのスピーチは感動をもたらした。
「今晩この受賞式を見ている、私のような外見の少年少女の皆さんにとって、この受賞は希望と可能性の光です。大きな夢を持ち、それが実現するという証です。そして、女性の皆さん、あなたが全盛期を過ぎたなんて、誰にも言わせないでください。諦めないで!」
今回のミシェルは、アジア系俳優として男女通して初の“主演賞”受賞という快挙。そして、60歳という年齢での栄光だ。
アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞でも主演女優賞を受賞しているが、そのときのスピーチでも「女性なら分かると思いますが、(年齢の)数字が大きくなればなるほど、機会は少なくなる」と言っていた。いつでも“全盛期”であり、活躍は続けられると勇気づけたのだ。
バレエに打ち込んだ少女時代からアクションもできる俳優へ
1962年にマレーシアで中国系両親のもとに生まれたミシェル。4歳でバレエのレッスンを始め、10代になるとロンドンにバレエ留学するほど打ち込んでいたが、けがで断念した。
俳優キャリアのスタートは、香港の俳優サモ・ハン・キンポー主演映画「デブゴンの快盗紳士録」(1984年公開)。サモ・ハンといえば、ジャッキー・チェンと並んでアクションを得意とするアジアのスター。ふくよかなボディーだが、軽やかなアクションでファンを獲得していた。ただ、同作でミシェルにアクションシーンはなく、生徒に言い負かされて泣いて教室を飛び出してしまうという教師役だった。
ところが、翌年のサモ・ハン監督・主演の映画「七福星」では柔道教室の先生役でチラリと出演しつつ、1986年にサモ・ハンが製作に名を連ねる映画「レディ・ハード 香港大捜査線」で初主演し、ハードなアクションに挑戦。トレーニングを積んできたと思われる見事なアクションで、キレキレの格闘シーンを務め上げた。
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