DDTプロレスリングに所属するプロレスラーの赤井沙希選手が5月24日、都内で行われた「プロレス引退発表記者会見」に、DDTプロレスを運営する株式会社CyberFightの高木三四郎社長と共に出席。11月12日(日)に東京・両国国技館で開催される「Ultimate Party 2023」での試合を最後に、プロレスラーを引退することを発表した。
俳優の赤井英和を父に持つ赤井選手は、2013年8月18日に行われた「両国国技館大会」にてプロレスデビューを果たし、その後は「KO-D6人タッグ王座」「プリンセスタッグ王座」「アイアンマンヘビーメタル級王座」を獲得。現在は坂口征夫選手、岡谷英樹選手とのユニット・Eruptionにて活動している。
引退まではプロレスに全力で集中
引退を決意した理由を聞かれた赤井選手は「私は枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたいと思いました。それこそが、赤井沙希のプロレス道の最終地点だと思っています。ファンの皆さまの中で、いい状態の赤井沙希が、美しい思い出として存在し続けられることが自分にとっての一番の理想です。寂しさや悲しさがないと言ったらうそになりますが、これが私にとってDDTやファンの皆さまに対する愛の形であり、私の美意識だということをご理解いただきたいと思っています」と述べた。
引退後のプランについては「今行っているサロンでしたり、プラチナムでの活動は引き続きやっていきます」と言い、続けて「ただ、今は自分のプロレス人生をどう全うするかに全力で集中したいと思っています」と言葉に力を込めた。
涙ながらにファンに感謝「大好きです」
また、プロレスデビューに猛反対していた母には、引退することを伝えたとのこと。「親としては安心な部分もあったみたいなんですけど、母にもDDTの魅力が伝わっていたみたいで、どこか寂しそうでした。残り半年ですが、娘がリング上で戦う姿を見せられたらいいなと思っています」と意気込んだ。
しかし、父には報告していないと言い「この報道で知ると思うので、たくさん報道してください」と呼び掛けた。直接伝えないのかという質問には「自分の最後のケジメとして、この報道で知られた後に、直接自分の口で報告しようと思っています」と答えた。
最後に、ファンに向けてメッセージを求められると「私は未熟ですごく弱いです。でも、プロレス界に入ってびっくりしました。ファンの皆さまは、リングに立っている私たちと同じように戦ってくれて、喜んでくれて、泣いてくれて、悔しがってくれます。客席とリングではありますが、同じチームだと思っています。皆さまがいなかったら今の私は存在していません。ファンの皆さま、私をプロレスラーにしてくださってありがとうございます。大好きです」と、涙を流しながら感謝の言葉を送っていた。
◆取材・文=大野代樹