東方神起のユンホ(チョン・ユンホ)が、毎週水曜に配信中の「私たちの人生レース」で6年ぶりにドラマに出演している。物語の舞台は、大手広告代理店。スペックゼロだがやる気と情熱は人一倍の主人公パク・ユンジョ(イ・ヨニ)が、学歴不問の中途採用で大会社に転職し、仕事に恋に奮闘するサクセスストーリーだ。ユンホが演じるのは広告代理店を経営する爽やかな青年実業家ソ・ドンフン役で、徐々にユンジョとの関係が深まる役どころ。今回は、前半となる第6話までの展開と、ユンホ演じるドンフンの見どころについて紹介する。(以下、第6話までのネタバレを含みます)
就職難の韓国社会を描いたサクセスストーリー
長年に渡り、就職難が社会問題になっている韓国の実状を盛り込んだ同ドラマ。高学歴・高スキルのハイスペックでも条件の良い会社に就職することが難しい中で、高卒の主人公・ユンジョは実力だけで“ブラインド採用枠”に合格し、親友のリュ・ジェミン(ホン・ジョンヒョン)が勤める大手広告代理店「セヨン」に中途採用される。
しかし、誰もが大企業に就職しようと必死に勉強して進学し、さらに就職競争の狭き門をくぐり抜けてきたため、SNSでユンジョの不正採用疑惑が噴出。彼女を合格させたのは実力ではなく、会社のイメージアップのためだという書き込みが殺到し、会社の上層部も巻き込んだ大問題となってしまう。
いわば炎上状態となるが、それを鎮火させたのはPRとESG(環境、社会、ガバナンス)の専門家であるCCOのク・イジョン(ムン・ソリ)。彼女は創立者の娘である代表のイム・ジヒョン(キム・へファ)が、副社長との権力争いに勝つためにアメリカから引っ張ってきた。
年功序列が激しく、どんな理不尽な内容でも従わねばならない古い体質の職場に、イジョンが一石を投じる。こうして、一時は上司らの不手際を隠蔽するために物流部門に飛ばされそうになったユンジョだったが、第6話でどうにか広報部に留まり、仕事も任されることになる。
ユンホが演じるのは、ライバルと正々堂々と戦う誠実な男性
高圧的なチーム長や絵に描いたような副社長の太鼓持ちの営業本部長など、画面越しでもイラッとする登場人物が多数登場する中で、ユンホが演じる広告代理店アース・コム社長のソ・ドンフンは、一服の清涼剤のような存在だ。
第1話の登場からして爽やかで、自転車に乗っている状態でユンジョと接触してしまい、その自転車を投げ出して慌ててユンジョに駆け寄ってくる姿からして好感度抜群。その後、同じプレゼンに挑む広告代理店同士であることが分かるとライバルにもかかわらず、「お互いに頑張りましょう」と健闘を誓い合う。この1シーンだけでも誠実な男性であることが伝わってくる。
東方神起として歌手デビューして19年、俳優デビュー14年、そして2023年2月には37歳になったユンホだが、このピュアな青年実業家が実に似合う。
ユンジョが勤めていた広告代理店のキム・ヒヨン社長(ペク・ジウォン)はもともとセヨンの社員で、ドンフンと先輩後輩関係だったため、ユンジョとドンフンは仕事以外の現場でも会うようになる。そんな中、先ほどのプレゼンは実は出来レースで、ドンフンの知らぬところで最初からアース・コムの採用が決まっていた。しかし、企画案はユンジョのものがよいということで、セヨンからユンジョの企画で進行するように命じられる。
実に理不尽な命令を受けたドンフンは、第2話でヒヨンの元を訪ねるのだった。その際、ドンフンはヒヨンから「あんたはどうしたい?」と聞かれて、「先輩の案に従います」と答えるのだが、演じる人が違えば、無責任な人間に見えかねない。しかし、ユンホが演じると真摯(しんし)な人間に見えるから不思議だ。
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