「あー、助かってよかった!」「よーしもう少しだ、頑張れ」「OK、一件落着!」などと、画面を見ているほうも気分がドキドキハラハラしたり勇ましくなってしまうドラマ「STATION 19」のシーズン6が、5月31日から配信開始した。同作は海外医療ドラマの長寿シリーズ「グレイズ・アナトミー」のスピンオフ連続ドラマで、舞台は米国ワシントン州シアトルの消防署“ステーション19”(「グレイズ~」の病院から3ブロック先にある、という設定)。本国では2018年にスタートした。今回、音楽をはじめ幅広いエンタメに精通するフリージャーナリスト・原田和典氏が、本作の見どころを独自の視点で紹介する。(以下、一部ネタバレを含みます)
音楽ファンをうならせる各話タイトル
この作品は昼夜を問わず命と心をかけて闘う女性消防士・アンディ(ジェイナ・リー・オルティス)ら勇敢な消防士たちの活躍を描いた群像劇…と書いたところで、音楽好きの私としてはぜひ触れておきたいことがある。各話のタイトルが、ジャズ、ロック、ポップスの名曲に関連していることがとても多いのだ。
シーズン3の「ボーン・トゥ・ラン」(ブルース・スプリングスティーン「明日なき暴走」)、「アイル・ビー・シーイング・ユー」(ビリー・ホリデイらが歌ったスタンダード・ナンバー)、シーズン4の「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」(オアシス)、「ゲット・アップ、スタンド・アップ」(ボブ・マーリー&ウェイラーズ)などなど、まるで音楽ファンをおびき寄せるようなタイトルが次々と出てくるのだから楽しい。
お気に入りの曲名をきっかけに
超ロングランのシリーズだけあってストーリーの総数もとても多いのだが、物語は必ずしも前の話と次の話が密接につながっているわけではないので、特定の回をピックアップして見ても読み切りの物語に触れるような感じで、十分に豊かな時間が過ごせるはず。お気に入りの曲のタイトルと同じものを発見して、そこから見始めて、結局“ステーション19”のストーリー展開や、登場人物にハマっていった視聴者も多いことだろう。
5月31日からディズニープラスのスターで配信が始まった「シーズン6」は全18話。一挙配信だけに好物が一気に押し寄せてくるようでうれしい悲鳴を上げるしかないのだが、なにしろ基本的にドキドキハラハラさせる話なので、一度に大量摂取するよりも、1日1話と決めて、じっくりと味わうのが吉である。
Happinet
発売日: 2022/07/27
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