前向性健忘症の役を演じる苦労「撮影を続けるにつれて…」
また、前向性健忘症に関してどれだけ勉強したかという質問には、「いろいろな資料をいただいて、メモ帳を手放せない方や、毎朝自分がどこにいるか分からない方などの動画も見させていただきました。でも、パッと見た印象で、その方々がそういった病気を抱えているとは見えなかったんです。僕が見た限りですけど、受け答えもしっかりされている方が多かったですし、皆さん明るいなと思いました」とコメント。
「動画の中で、ご病気を抱えられている方が、『記憶がないということは自分がない、感情がないということなんです』とおっしゃっていたんです。僕らが想像しても計り知れないと思うんですけど、ふと我に返ったときに何も自分をかたどるものがない恐怖感ってどんなだろうな、明日起きたら全て忘れているというのは、夜に寝る瞬間どんな気持ちなんだろうな、とすごく考えさせられました」と、役作りを通して抱いた気持ちも打ち明けた。
さまざまな資料から前向性健忘症への理解を深めてきたEXILE NAOTO。しかし、「撮影を続けるにつれて、いろんな感情や子供たちへの思いが強くなってくるんです。でも、一日が終わったら健二はゼロに戻るので、(感情を)積み重ねない方がいいかなと。それが夜のシーンだったら、(今までの出来事を記した)メモを読んだりして、朝から積み重ねた感情がある。でも、朝だったら、初めて見る職場の景色だし、初めて子供たちと住んでいる自分。健二は毎日がゼロからスタートしているので、厚みが出ちゃいけないと思いながら演じました」と、撮影が続く中で健二を演じる難しさも語った。
最後に、視聴者に向けて、「不器用ながらも一生懸命父になっていく三倉健二という男を見て、いろいろな弊害がある中でも目的を達成しようと頑張っている人たちに、勇気や、一日一日を大切に生きていくということを感じていただけたらと思っています」とメッセージを送った。
松竹