スクールアイドルグループ・Liella!の3rdライブツアー、「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」が3月5日、ベルーナドームでファイナルを迎え、2期生メンバーが加入し9人となった初めてのライブツアーは大盛況で幕を下ろした。Liella!の3期生メンバーやユニットが発表されるなど、「ラブライブ!スーパースター!!」のさらなる盛り上がりが期待される。そこで、WEBザテレビジョンではLiella!メンバー全員の短期集中連載リレーインタビューを実施。9人で臨んだ3rdライブツアーの振り返りや、3月にリリースされた2ndアルバム『Second Sparkle』について存分に語ってもらった。Liella!のロングインタビュー5番手には、葉月 恋役の青山なぎさが登場。
皆さんの声援に自分がどんな感情になるのか予想できなかった
――7都市14公演の3rdライブツアー、お疲れ様でした。まずは、このツアーを無事走り切ったいま感じていることを、言葉にしていただけますか。
3rdライブツアー終わってからはホッとしていますね。6都市目の東京公演からツアーファイナルの埼玉公演まで1か月空いていたのですが、その間も「ツアーがまだ続いているんだ」という緊張感があったので、それが完全に終わってホッとしていて。ライブツアー中は寝ていても「はっ…あの曲大丈夫かな…」という心配があったのですが、今はもうそれがなくぐっすり眠れています(笑)。
――心配なことがあったんですか?
心配といいますか、皆さんの声援を体験したことがなかったので、本番ツアーファイナルのドームで歓声があった時に、自分がどんな感情になるのか全く予想ができなくて。どんなに準備していってもその場で頭真っ白になってしまうのではないかと、そこが不安でしたね。
――そのファイナルの埼玉公演、ベルーナドームでのライブは「初の声出しの単独公演」「初のドーム会場での公演」ということもあり、特別な想いを持って立ったステージだったのではないかと思います。ベルーナドームの2日間について、振り返ってみていただけますか。
練習は実際の大きさよりも小さいスタジオでやっていたので、いざその場(ベルーナドーム)に立った時に「こんなに広いのか」という嬉しい気持ちと「一番端に座っている方からわたしたちは見えるのかな」「本当に楽しんでもらえるのだろうか」という不安が出てきて。今までも練習は全力でやってきたけど、それ以上にもっと大きく体を動かして「葉月 恋はここにいるぞ!」とアピールしないと伝わらないんじゃないかなと思って、リハーサルから全力で取り組んだ覚えがあります。
――遠くの人に届けるために特に意識したことはありますか?
それぞれのメンバーによって表現の仕方も違うのですが、わたしだったら、葉月 恋ちゃんは優雅なことが得意でクラシックバレエやスケートをしていた子なので、誰よりも滑らかに動くとか。でも滑らかに動きつつもちゃんとキレを持ちながら、みんなとまとまりが持てるようなダンスにしたいなと思っていたので、衣装のスカートの傾き具合とか、遠心力とか、このくらい回ったらどこまでスカートが上がるのかとか、全部撮ってくださる映像でチェックしてツアーファイナルにむけて調整していきました。
初めてのコール&レスポンスで「もう本当の気持ちを言って大丈夫だ」と思えた
――ベルーナドームのMCで話していたことと重複するかもしれませんが、改めて聞かせてください。3rdライブツアーをやり遂げる上で、始まる前はどのような心情を抱いていましたか。ツアーを通しての目標、自身の中で成長したいと感じていたポイント、あるいは不安・心配に思っていたけど乗り越えることができたエピソードなどについて、聞かせてください。
今までわたしはあまり恋ちゃんに関するネガティブな発言をしないようにしていたんです。やっぱりこのラブライブ!シリーズを楽しんでくださっている方にはポジティブ、前向きな気持ちになってほしいという思いが個人的にはあったので、生放送でも「フォーメーションが難しかったです」「ダンスが難しくて苦労しました」などの話はしていたんですけど、もっと内面的な自分の悩みは出さないようにしていました。
そんな中初めて埼玉公演Day2のMCで皆さんに本音をお伝えしたんですけど、それは1stライブツアーの時にはわたしがまだ皆さんにお伝えできなかったことで。どれだけ恋ちゃんのことを応援してくださっている方がいるかわからなかったですし、その頃はやっぱりSNSの反応を見ると恋ちゃんに対して、好ましいより否定的な意見のほうがどちらかというと多かったので、1stライブツアーが終わった頃には「恋ちゃんを好きになってくれてありがとう」という言葉がまだ言えなくて。
それがどんどんライブツアーや生放送を経て「恋ちゃんいいね」とか「なぎちゃんが恋ちゃんでよかったよ」とか言葉をたくさんいただくようになってから、皆さんを信頼できるようになったと言いますか。「こんな優しい方々が応援してくださるんだったら、わたしもそろそろちゃんと本音を言ってもいいんじゃないかな」と思ったのが埼玉公演のDay2だったんです。それを実感できたのが埼玉公演Day1で、皆さんから初めてのコール&レスポンスで「葉月 恋!」という声を聞いた時に「もう言って大丈夫だ」と安心して。そこでこのことを明日(Day2)のMCでちゃんと話そう、と決めましたね。
――パフォーマンスは初期に比べると新しいチャレンジだったと思いますが、3rdライブツアーは自分の中で納得できるものができましたか?
そうですね。やりきったという感じです。1stライブツアー、2ndライブのときは、恋ちゃんのイメージをどうやったら変えていけるか悩んでいたんです。やはりTVアニメ1期の時の恋ちゃんの第一印象はどうしても残ってしまうものなので。でもTVアニメ2期の第7話「UR 葉月恋」で一気に違う恋ちゃんを見せてくれて。こんなにガラっと印象が変わったり、新しい一面を見せてくれるのなら、わたしのダンスやパフォーマンスのやり方も、今までの“優雅な恋ちゃん”だけじゃなくて、そこもガラっと変えていいんじゃないかと思ったんです。2期の曲は結構激しめだったりロック調のかっこいい曲も増えてきたので、ただ優雅に動くよりも、どちらかというとちょっとちぃちゃん(嵐 千砂都)みたいなHIPHOPのノリのダンスもしっかりやったほうがいいんじゃないかなと思って、踊り方を少し変えるようにしましたね。
――MCを聞いて2つ気になったことがあって。1つはアフレコの際に「嫌われる人でいてほしい」とディレクションされて、実際にTVアニメ1期の頃はその通りの反応がお客さんから来ていたということですよね。ということは、すごくそれを表現できていたということじゃないですか。「そうであってほしい」という人物像を青山さん自身がちゃんと表現できていたということでもあると思いますが、それについてはどう思いますか?
自分でMCの後のSNSのコメントなどを見て「あっ、そういうことだったのか」と初めて気付いたんですけど、それまではわたしの演技力が無さすぎて伝わっていないんじゃないかという心配があったんです。初めてのアフレコで震えながら臨んでいて「第8話で合流するまでは、全ラブライブ!シリーズファンに嫌われるような存在でいてほしい」と伝えられた時も「わたしにできるのかな、どうなんだろう」と思っていて。実際に放送を見て結構批判的な声があったので、その時はまだ嬉しかったんですよね。ちゃんと意図していたものが作品に出ているということが嬉しかったんですけど、でもやっぱり自分が担当する子ということもあって愛着があるので、どうにかして好きになってもらいたいなという感情のほうが大きくなって。皆さんの好意的ではない発言をどうやって変えられるかなというのはずっと模索していました。
――もう1つは「こういう表現をしてほしい」と言われたことがちゃんと伝わって、そういう反応が来た。でも今言ってくれたように青山さんは葉月 恋のことが好きだし、思い入れもある。「本当は好きでいてもらいたい」という気持ちとギャップがあるじゃないですか。ベルーナドームであの話をするまで表に出していなかったということは、その時間ちょっと苦しい部分もあったのかな、と想像していたんですけど。伝えたいこともあるし、こういう風に伝わってほしいと思うことと、ここに至るまでそれなりに長い時間あったと思いますが、その間に思っていたこととかは?
やっぱり正直に言うと、苦しい時期はありました。それは2期生が入る前だったので、1期生の中で「恋ちゃん本当にこれでいいのかな」という相談をさせてもらっていたんです。そこで「パフォーマンスでちゃんと表現していけばいいんじゃない?」とか、恋ちゃんをわたしが引っ張っていけばいいんじゃないかというアドバイスをメンバーから貰って、自分を納得させることができて。わたしが恋ちゃんのかわいい部分とかTVアニメで見せられていない部分を引き出せる一因でありたいというか。わたしが代弁者になって、恋ちゃんの良さをライブで表現したいなと思いました。
ラブライブ!シリーズはTVアニメもあるけど、公式Twitterのプロフィールにも書いてありますが「オールメディア展開するスクールアイドルプロジェクト」なんです。 それを見たときに「そうかラブライブ!シリーズってTVアニメだけじゃないんだ!」と。「ということはわたしがライブで新しい恋ちゃんを表現すれば、それも“葉月 恋”になるんだ!」という風に思って。そうしたらもうわたしがどんどんやっていけばいいんじゃないか、とポジティブに考えるようになりましたね。
――一旦嫌われたことの苦しさはベルーナドームとこの3rdライブツアーを経て乗り越えられた?
今は大丈夫になりました。やっぱり1stライブツアーが一番辛かったです。あと1stライブツアーに関しては、TVアニメ1期のストーリーに沿った内容になっていたので、わたしは30分以上出番がなくて。待機時間がかなり長くて、他の4名が歌ったり踊ったり、2名ずつ歌ったりしているのをずっと楽屋で音だけ聞いたり、モニター越しに見ている状況だったので、出演時間がみんなより短い中でどれだけ恋ちゃんのことを表現できるかなという心配が大きくて。限られた時間の中でどれだけ違うところを見せられるかというのは相当悩みましたね。
――それはパフォーマンスの中でこうしたらいいんじゃないかという方針のようなものはあったんですか?
やっぱり恋ちゃんらしさ、優雅なところとか。わたしがずっとクラシックバレエを習っていたので、自分がやってきたバックボーンをどうにかして恋ちゃんにプラス要素として加えられないかなというのはずっと考えていましたね。