コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、しっかりホラーなのにマンションのオーナーが登場して予想外の展開になるというギャップが面白いと話題の『「押し入れ」と会話をしてはイケナイ理由』をピックアップ。
作者のネブクロさんが2023年5月12日にTwitterに投稿したところ、8万件を超える「いいね」を獲得し、「マジでしっかり幽霊が怖いからギャップすごくて好き」「最初ホラーなのに大家さんが出てきた瞬間ギャグになるのがすごい」「斬新」など多くの反響が寄せられた。本記事では、ネブクロさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
オバケをマンションに住まわすことに決めた東雲だが…
オバケをマンションに住まわそうとするオーナーの東雲薫。孤独な少年、悠馬の「押し入れ」に話しかけ、「押し入れ」からも声がしたり見えたりするところから物語は展開していく。成長し悠馬は「押し入れ」に近づかなくなる。そんなある日、「押し入れ」がオバケとして悠馬の前に現れ、投げ縄を持って襲い掛かる。そこに現れたのが、東雲だった。投げ縄使い同士で格闘するが、東雲は格闘中オバケに対してマンションに住まないかと問いかける。オバケといえど働いて家賃を入れてもらうことを告げ礼金はもらうことも同時に告げるが、東雲にとって礼金の意味には深い意味が込められていた。代金をもらったからには面倒を見続けることをオバケに告げて…。
突然現れるオバケがホラーとして怖すぎるのと対照的に、オバケを住まわせようとする東雲の言動のギャップに、「普通に怖かったのにハートフルな結果でとても良い」「過去一番笑った」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
「どれだけの読者に怖いと思ってもらえるオバケを描けるか、そこに尽きる」作者・ネブクロさんが語る創作の裏側とこだわり
――『「押し入れ」と会話をしてはイケナイ理由』のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?
後半の2人(東雲薫とオバケ)が分銅を振り回しているところの絵が浮かんでいたので前後を肉付けして作っていった感じです。
――悠馬が成長して遊ばなくなった「押し入れ」がオバケとして出てくるところから急展開していきます。「押し入れ」のキャラクターを描く上で、意識していた点を教えてください。
やっぱりどれだけの読者に怖いと思ってもらえるオバケを描けるか、そこに尽きるのですが押し入れは久々に「コイツ良い外見のオバケだなぁ」と思いました。
――本作で、ネブクロさんが特に気に入っているシーンやセリフがあれば教えてください。
「こんなに風切り音聞いたの初めて!!」。
――本作では、東雲薫の「押し入れ」に対する熱い想いが物語のハイライトです。本作を書く上でこだわっている点がありましたら教えてください。
良いシーンは良いシーンなんですけど、基本的に主人公は幽霊サイドに肩入れや同情といった歩み寄りをして欲しくないなぁと思って作ってます。当たり前のことしか言ってないんだけどそれこそがオバケ達の本当に投げかけて欲しかった言葉だったり。主人公は良い人なんですけど、ヒーローにはなってほしくないですね。
――「訳アリ心霊マンション」シリーズにおいて、今後の見どころや注目してほしい点についてお聞かせください。
本編では人間関係がどんどん出来てきています。どう絡んでくるのか、お楽しみに。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
ここまで駆け足気味でお話を進めてきた本編ですが、そろそろ展開をゆっくりにしてもいいかなと思ってます。読者の皆様が見たいストーリーをしっかり提供して、訳アリをもっと盛り上げてやろうと思っています。