ユニットコンビ「たりないふたり」として数々の漫才を生み出した、オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太の半生を基にしたドラマ「だが、情熱はある」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。6月11日放送の第10話では、「M-1」準優勝をきっかけにオファーが殺到し、うれしい悲鳴のはずだったのに、忙しすぎて新ネタは作れず、取材や収録では春日(戸塚純貴)のケチネタばかりが取り上げられ、想定外のアイドル扱いなど、思い描いていたのとは違っていく毎日に苦悩する若林(高橋海人)の姿が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
「楽しい、楽しくない、じゃなく、楽しむかどうか」
このドラマは、若林と山里の半生を基にした、“ほぼ実話”の青春サバイバルストーリー。“極度に人見知りな超ひねくれ男”(若林)と、“妬み嫉みの固まり男”(山里)、そんなたりない2人の友情物語でもないし成功物語でもないが、もがきながらも“情熱はある”人生を描いていく。
「M-1グランプリ2008」で準優勝したオードリーは、年が明けてから寝る間も無いほどの大忙しとなり、夢に見ていた生活が現実となった若林はうれしくて仕方がなかった。売れた事で、家族にも後ろめたさが無くなった。あんなにぶつかっていた父親(光石研)とも、おだやかな関係になった。
ある日、若林が久々に実家に帰ると、父親は上機嫌。オードリーの「M-1」のエントリーNo.“4431”が、父が大ファンの阪神タイガースの(ランディ・)バース選手(44)と掛布(雅之)選手(31)の背番号と同じだった為、「(その番号を)選んでくれてありがとう。オレの想いも背負ってくれてたんだなぁ」と喜びを伝えてきた。が、実は本当にただの偶然…。だが、若林は喜んでいる父の為に、否定するのはやめた。
父親は、学生時代の趣味だったバンド活動を再開した、と告げ、「楽しそうだね」と言った息子に、「楽しいとか、楽しくない、じゃないんだよ。楽しむかどうかなんだよ!人生、“楽しそう”で終わらせたくないんだよ」と言った。そして、上手くもないギターをかきならして歌い出した父に、家族と共に文句を言いながら、若林は穏やかな表情を見せるのだった。
若林、連日の“春日のケチネタ”こすりまくりにウンザリ…
仕事は途切れる事が無くやってきて、疲れはどんどん溜まる一方。若林は、忙しすぎて新ネタを作る時間は無くなり、すぐに飽きられてしまうのでは…といった不安も大きくなっていた。
しかも、春日のキャラばかりが注目され、連日、春日の住んでいる「むつみ荘」でのロケ、取材も番組企画もほぼ春日のケチネタ…。あっちでもこっちでも同じ事の繰り返し…。「オレ、(春日のケチネタの)コインシャワーと飴ジュースの話、何百回もしたぞ!?」と、親友の芸人・鈴木(水沢林太郎)に愚痴をぶちまけた。
悔いが残る結果となった仕事の後、春日が珍しく悔しがっていたのだが、スベったからではなく、携帯ゲームで負けたからだった、と鈴木に話し、「あんなヤバいロケした後、ゲームして“クソッ”じゃねえんだよっっ!!」と、怒りが噴き出す若林。
「アイツ(春日)はマトモじゃないよ。何でオレは楽しくなくて、アイツは楽しいんだよ!」と、脱いだ靴下を壁に叩きつけた。実際、当時の若林は、帰宅後のストレスを脱いだ靴下に込め、壁に思いっきり投げつけていた。
Universal Music
発売日: 2023/06/21