1991年に公開されたディズニー・アニメーション作品「リトル・マーメイド」(USは1989年に公開/ディズニープラスで配信中)が実写化され、日本では6月9日に劇場公開された。ディズニー創立100周年を華々しく飾る今作のプレミアム吹替版で、主人公・アリエルを演じるのが豊原江理佳だ。2011年からマイケル・ステューバーのダンスレッスンを受け、2015年からアメリカ・ニューヨークに留学。帰国後はミュージカル「タイタニック」「The Fantasticks」「ザ・ビューティフル・ゲーム」などのミュージカルをはじめ、舞台、テレビなどで幅広い活動を続けて現在に至っている。そんな彼女が今回、初めて挑んだのが「声の仕事」。大好きなディズニー作品に携われる喜びに包まれながら、さらなる一歩を踏み出した豊原に話を聞いた。
まさか自分がアリエルになれるとは
――あらためて、アリエル役に決定した時の気持ちをお聞かせいただけますか。
オーディションが終わってから1カ月ほど、「どうかな、どうかな」と結果を待っていましたが、まさか自分がアリエルになれるとは、まったく想像していませんでした。発表されたときに「豊原江理佳さんに決定」という文字を見ても、実感が湧かなくて、「これは現実なんだろうか?夢なんだろうか?」と、ずっとフワフワしている感覚でした。
収録に入る時に台本などを頂いて作業していく中で、これは現実なのだと少しずつ分かっていきました。情報解禁されて公開が近づくうちに、たくさんの方に(アリエルを演じることを)お知らせできて、そこでより実感できるようになったところもあります。
――数々のミュージカルに出演なさっている豊原さんですが、声優としての仕事は今回が初めてですよね。
そうです。声の仕事が初めてでしたので、技術的に分からないこともありましたし、緊張もしましたが、チームの皆さんが委縮しない環境を作ってくださいました。色々なことを教えてくださいましたし、セリフも一つずつ丁寧に一緒に作っていく感じで、基本的にとても楽しい収録でした。
――アフレコで特に気を配ったところは?
アリエルと登場人物の距離感に注意を払いました。(収録の時に)私はずっとマイクの前に立って声を当てていても、劇中のアリエルは近い距離でフランダーにしゃべっている時もあれば、遠くの人に向かって話し掛けている時もあります。その距離感のつかみ方は難しかったですね。
あとは、普段ですと顔の表情とか体を使って表現できているものを、全部、声で表さなければいけない。声に対する表情のつけ方が、すごく勉強になりました。
レコーディングは「気持ちのままに歌うようにしました」
――歌唱曲「パート・オブ・ユア・ワールド」のレコーディングに際しては、どのような準備をなさいましたか?
ディレクターさんからトレーニングのメニューを教えていただいて、みっちり筋トレや発声練習をして、まずは技術面で支障がないように準備をしっかりしました。その上で当日は自由に表現できるような、自由に泳ぐというか、気持ちのままに歌うようにしましたね。
――あの歌声の背景には筋トレの日々もあったということですね。
そうです。声をしっかり出すには、おなかを鍛えなければ…。ハリー・ベイリーさんの歌声がものすごくパワフルでエモーショナルですから、薄くならないような歌唱をしたかったというのもあります。とにかくパワーをつけて、下からウワッと湧き上がるような表現ができるように、とトレーニングしました。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/the-little-mermaid
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