兄・桂一の大学の女友達に嫉妬「私もあんなふうになりたい」
話は6年前に遡り、2017年の春、晃は高校生で桂一は大学生。両親が仕事の都合で海外にいるため、兄妹だけの生活を送っていた。効率よく家事をするのが好きな晃は、しっかり者で世話好きというのはこの頃から変わっていない。
兄との2人暮らしで何の不満もない生活を送っている中、桂一が大学の友人・岡田敦子(高月彩良)を家に連れてくるという晃の心を乱す出来事が起こった。自分より大人っぽくて、桂一と親しげに話す様子に、2人の前では平静を装いながらも不安と嫉妬心が…。
そのことを唯一相談できるのは親友の森珠希(加藤小夏)。珠希は父親との2人暮らし。母親が家を出ていき、父親は元気をなくし、珠希の心の中にも影を落としていた。そんな珠希の心の支えが、牧嶋剛(伊藤あさひ)。桂一と同じ学校に通う大学生で、珠希と同じ棟のアパートに住んでいる“幼なじみ”という存在。剛は珠希を妹のように可愛がるが、珠希はどうやらそれ以上の感情を抱いている様子。晃と桂一の2人の関係性とは種類は違うが、珠希と剛の関係性というのも気になるところ。
晃は「すごくキレイでいい匂いがした。私もあんなふうになりたい」と敦子のことを桂一に話すと、桂一は「晃は変わらなくていい。そのまんまでいい」と言って頭を撫でた。その言葉を聞いた晃は「好きだよ」と思いをストレートに伝えた。
今回のタイトルは母親(小沢真珠)の「晃には桂一よりももっと素敵な人が現れるわ」という言葉からきている。小さい時に聞いたその言葉は晃の中にずっと残っていて、まるで“呪縛”のようなものになっているように感じる。
第1話を見て印象的だったのは晃の表情と仕草。言葉以上に表情の変化や手に力が入ってしまうなどのちょっとした動作から、晃の気持ちが多く伝わってきた。
“新婚”と偽る兄妹という複雑な関係だけに、繊細な気持ちの揺れや変化を見つけることでこの物語をより深く理解することができるのではないだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部