恋愛模様を演じる上で意識したのは、“少女らしい恋愛”から“大人の恋愛”への変化
――万太郎に引かれていく寿恵子を演じる上で意識したことはありましたか?
寿恵子は、ずっと同じ地域で、ずっと狭い世界で過ごしてきたと思っていて。その中で、東京に進出してきたり、いろいろなところに植物採集に出かけたり、東京大学へ通ったりというのびのびした万太郎さんに対して、日本から海外を見るようなギャップがあったのではないかと思います。
「この人が見る世界の広さを見てみたい」と、人柄的に引かれた部分が大きかったのではないでしょうか。寿恵子は、抽象的な夢はあっても、それをかなえたいという確固たる思いはなかったので、万太郎の夢を聞いてとても驚いたし、そこに向かって突き進んでいく姿をずっと見続けたいと思ったのではないかなと考えながら演じていました。
あとは、最初に出会った時は17歳という設定だったので、少女らしい恋愛の仕方をしていきたいなと。そこから関係が深まる中で、段々と将来を見据える大人の恋愛の部分を少しずつ入れていけたらいいなと思っています。
――万太郎と寿恵子、二人のシーンでお気に入りの部分はありますか?
演奏会の時に二人で抜け出してステンドグラスの前で話すシーンがお気に入りです。そこで英語の歌の意味を教えてもらうのですが、その時のニコニコではない真っ直ぐな万太郎の表情が印象的で…。寿恵子はあの場面でがっしりと心を掴まれたのではないかと思っています。
――そのシーンの撮影前には神木さんと打ち合わせを?
いえ、直前まで他の話をして笑っていた気がします。いつもそんな感じで、雰囲気作りをすることはあまりないです。寸前までくだらない話をして笑っています(笑)。